大暴落相場は最大のチャンス
上がり続ける相場もなければ、下がり続ける相場もありません。そして、バブルが起これば、必ず崩壊するときがきます。暴落時はチャンスです。なぜかというと、人々は不安感にかられ、見境なく売り浴びませます。そして、本来の価値以下に下がる、オーバーシュート(一時的な行き過ぎ)が起こるからです。
この場面で、投資の原理原則論が使えるのです。つまり、「みなが売っているときに買う」、安いところで買うということです。
買ったときよりも、まだ多少下がるかもしれませんが、それはじっとガマンです。しばらくして落ち着いてくると、おもしろいように元に戻り始めます。ここで利益を確定します。
2008年7月に原油バブルがはじけ、金やプラチナも2,100円台まで下落しましたが、金はその後3千円台に、プラチナは4千円台に回復しました。
2008年秋には、日経平均は1万3千円台から6千円台まで下がりましたが、2009年7月には1万円台まで回復しました。
過去のチャートを見てください。このバブル→暴落→回復というサイクルは、いつの時代も同じです。ただ、いつはじけるか、いつどこまで回復するかがわからないだけです。
そこで、みんながざわざわしているときはバブルと認識して手を出さない、あるいは早めに手を引く。あとは暴落をじっと待ち、仕込んだら回復をじっと待つ、それだけです。
無敵のヒット&アウェイ戦略
負けるのはたいてい、上昇相場だと思ったら、すでに加熱相場か、上がる材料がすでに織り込み済みの価格だった、というときです。しかし私は、この「暴落時に仕込み、回復したところで利食う」という方法では、ほとんど、というか100%負け無しです。
そして、すでにおわかりの通り、仕込むタイミングはそう頻繁にはありません。数ヶ月に一度、もしくは数年に一度という頻度です。
プロと違う個人投資家の強みは、よく言われるように、「投資を休んで様子を見る」ということが出来る点です。利益確定した後は、欲が出てすぐに再参戦したくなるものですが、すでにある程度上昇したときですから、次のチャンスをじっと待つのです。つまり、勝ち逃げする、ヒット&アウェイ戦略というわけです。
周りが盛り上がっているとき、つまりマスコミ報道が多くなるとか、同僚や友人の間で投資の話が出始めたときは、どうしても「乗り遅れる恐怖」に襲われてしまいますが、勇気をもって降りる、あるいは手を出さないことです。
くれぐれも、安く買えるチャンスというのは、そう何度もやってくるわけではないので、じっとタイミングを伺いましょう。
バブルは再び起き、そしてはじける
しかし、もしかしたら今後は、安く買えるチャンスは今までよりも頻繁に訪れるかもしれません。
暴落によって投資マネーが目減りしたとはいえ、お金がないわけではなく、休眠状態に入っているだけです。そこに公的資金注入により、カネ余りが加速する可能性があります。
公的資金注入というのは、つまり各国の中央銀行がせっせとお金を刷っているわけですから、その資金を吸収できるほど消費が増えない場合は、ますますお金が余ります。
余ったお金は、運用のやり場がなくなりますから、次の投資先が見つかれば、そこにどっとマネーが流入します。そう、次のバブルの一丁上がりです。
相場は誰かが買えば上がります。上がるから買う人が増え、上昇の期待感から、実態価値を超えて上がるようになります。
そうやって誰もバブルだと認識しないうちにバブルが発生します。しかし、実体価値を超えた価格上昇は続かないから、やがてはじけて暴落します。
下がって下がって割安感が出れば、買い拾う人が出てきます。元に戻れば、大きく儲ける人が出てきて、そういう人が「儲かる情報」として情報発信します。儲かっている人に乗り遅れまいと、後に続く人がさらに買い、またバブルが発生します。