大幅な魅力アップでも価格はむしろ割安に
ホンダから2代目ストリームが登場しました。2000年にデビューした初代ストリームは5ナンバーサイズの手頃なボディの中に3列シートを成立させた合理的なパッケージングが注目されたクルマです。デビューした当時は大ヒットし、ウィッシュという追従車種も生まれたほどでした。ただウィッシュが登場した後は販売面でも売り負けていましたので、今回のモデルはそれを巻き返すべく開発されました。
2代目ストリームの特徴は大きく分けるとデザイン、パッケージング、走りの3つが上げられます。
まずデザインですが、初代モデルもそうでしたが、今回のモデルもけっこうスタイリッシュに仕上がっています。フロント回りのデザインはオデッセイとも共通するイメージで、ホンダの低床ミニバンの顔はこれ、といった感じです。ボディサイドはストリームの名前が示すように流れるようにデザインされ、一見するとミニバンではなくステーションワゴンであるかのようなカッコ良さです。全高を45mmも下げたことやフロント部分に補助ピラーがないことなどが、ストリームの外観をよりスタイリッシュなものにしています。標準系の外観のほかに、一段とスポーティな雰囲気を演出したRSZ系のモデルも用意されています。
5ナンバーを堅守して室内空間を拡大
パッケージングは全高をグンと下げながらも、ホイールベースを延長することで余裕の室内空間を作ったのがポイントです。特に3列目のシートは、足先が2列目シートの下に入るようにフラットな床面を作ったことで、とても乗りやすくなりました。ボディ全体が5ナンバー車の枠内に収められ、タワーパーキングにも入るサイズにしたのは日本のユーザーにとって大いに歓迎すべきポイントです。走りは、搭載エンジンが新しくなることなどによって大きく向上しました。従来の1.7Lエンジンは1.8Lに排気量アップされ、しかも電子制御5速ATとの組み合わせに変わりました。2.0Lエンジンも1.8Lと同様にDOHC i-VTECで、パワーと燃費を高い次元でバランスさせています。2.0L車は駆動方式によってCVTと5速ATが用意されています。すでにプロトタイプ車の試乗はすませていますが、市販車には試乗していないので走りの詳細については別の機会に紹介したいと思います。
魅力アップにもかかわらず割安な価格
このようにいろいろ面で魅力アップした2代目ストリームですが、価格的には従来のモデルに比べて抑えた設定になっています。ベースグレードの1.8Xの価格は180.6万円で、従来の1.7Sに比べるとやや高くなっていますが、前述のように排気量が拡大されてATが5速になり、装備や仕様が充実したことを考えると、実質的には値下げともいえるような価格設定です。
2.0L車も同様に割安感のある価格が設定されていて、最上級グレードの2.0RSZの4WD車でも254.1万円の設定です。実際に購入するときにはカーナビのほかいくつかのオプションを装着することになりますが、充実したオプションを装着しても1.8X(FF)なら250万円前後、2.0RSZ(FF)でも300万円以下の予算でOKです。今回のストリームは従来のモデル以上に価格競争力を高めたといえるでしょう。
なお、ストリームのメーカーオプションの中には追突軽減ブレーキ+ホンダインテリジェントクルーズコントロールのセットなども用意されています。最新の安全装備がこれまた26万円という低価格でこのクラスのクルマにも用意されるようになったのは、大いに注目しておきたいと思います。