日常で持ち歩けることのうれしさよ
重量よりも効いているのが、20mm/F1.7を装着した際のすっきりさだ。女性の持ち歩くようなトートバッグにもすんなりと入るほどの薄さだ。この持ち運びのしやすさは本当にありがたいところだ。どうしてもデジタル一眼カメラは全体のかさ、バッグの中で占める容積が大きくなってしまい、「日常での持ち歩き」にはエントリークラスのものであっても逡巡してしまうのだが、DMC-GF1であればなんの問題もない。
また、金属ボディであるというところも嬉しい。他社のエントリークラスはほとんどがエンジニアリングプラスティックであるのに比べ、ややラフに扱っても安心度が高いということになるからだ。
E-P1と同様にファッション性の高いボディケースが用意されているのも、女性には嬉しいところだろう。
もちろん画質もデジ一眼
延々と持ち歩きや取り扱いのしやすさを語ってきたが、4/3型の撮像素子を搭載しており、画質もデジタル一眼カメラとしてのそれを楽しむことができる。まだパンケーキレンズ以外で気軽に買えるマイクロフォーサーズ用の標準域の単焦点レンズがないところが寂しいが、それでもコンパクトデジカメのものとは比べがたい画質である(実写画像は「LUMIX DMC-GF1実写画像」にて)。特にボケはキレイに出るように感じた。キットレンズは20mmとワイドでありながら、F1.7という明るさを持っているので、気軽に背景ボケを楽しめるのも大きな利点だろう。
色合いはパナソニックのそれらしくくっきりとした鮮やかな味付けがされている。しかし、DMC-G1と同様にカラー6種類、モノクロ3種類のフィルムモードも搭載されており、さらに自分の好みの色合いにできるMY FILMも2つまで記録ができる。
さらにカラーフィルターを噛ませたようなマイカラーモードも充実している。これはオリンパスのアートフィルターに似たモードで、特に「ポップ」は何を撮っても彩度ばりばりの画像が得られて非常に楽しい。
このあたりは時間をかけて好みを見出していくこともできるだろう。もちろん、RAW撮影にも対応しており、現像ソフトも同梱されているので、じっくりとPC上で現像処理することも可能だ。
なお、マイクロフォーサーズ準拠なので、オートフォーカスはコントラストオートフォーカス一本となる。速度は実用的なものとなってはいるが、DMC-G1と同様に微妙にピントを外すこともある。
AF-S+マニュアルフォーカスに設定しておくとレンズのピントリングに触れた際に液晶ディスプレイが拡大モードに移行するので、細かいピント合わせはこれで行うのがいいだろう。ただ、動体に対するオートフォーカスははっきり弱いと言い切れる。現状ではこれは規格としてやむを得ない部分であることを認識しておく必要があるだろう。
高感度に関してはおおよそ、ISO400あたりまでが常用域ではないかと感じた。街撮りであればISO800でも行けるはずだ。