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【ダイアリー新車レポート】 フォレスターSTiバージョン試乗

マイナーチェンジを受けたフォレスターの試乗会に参加しました。スバルのフォレスターはステーションワゴンから発展したクロスオーバータイプのSUVです。それに追加されたSTiバージョンの魅力に迫ります。

執筆者:松下 宏




マイナーチェンジを受けたフォレスターの試乗会に参加しました。スバルのフォレスターはステーションワゴンから発展したクロスオーバータイプのSUVです。基本的には路面を選ばない走りを実現するSUVとして高いロードクリアランスを確保していました。

ところがさまざまなユーザーのニーズに対応するためもあって、クロススポーツと呼ぶ車高を下げたモデルを設定し、今回はさらにSTiバージョンまで設定してきました。これをどうとらえるかが評価の分かれ目にもなります。SUVとしての本来的な性格を見失った設定と考えるのか、あるいはそうした仕様も用意されることがクロスオーバー車らしいと考えるかだと思います。私自身も、最初はそれってどういうことよ! という印象を持ったのですが、冷静に考えるうちに逆に良いことだなと思うようになりました。

フォレスターのSTiに搭載されるエンジンは水平対抗4気筒2500ccのDOHCターボで、アメリカ仕様のインプレッサなどに搭載されているのと同じものです。ただ、フォレスターの性格や日本の規制などに合わせてチューニングされ、最高出力を追求するのではなく、中低速域のトルクを重視した仕様とされています。といってもパワーは265psもありますし、378N・mのトルクも半端ではありません。アクセルを軽く踏み込むだけで豪快な加速フィールが味わえます。動力性能に関しては全く文句のないレベルというか、十分過ぎる余裕を備えています。

6速MTだけの設定ですが、このMTのシフトフィールも上々です。足回りは当然ながら硬めのチューニングでロールを抑えた仕様とされていますが、インプレッサのSTiにあるようなガチガチに締め上げたものではなく、乗り心地とのバランスにも配慮しています。高架道路で継ぎ目を超えるときのショックが大きい西湘バイパスを走っても、不快感を感じることはありませんでした。価格が300万円切る水準に抑えられているのもリーズナブルな印象です。

もう1台の試乗車はLLビーンエディションです。フォレスターではこれまでも、アウトドアの有名ブランドであるLLビーンを提携した特別仕様車を設定してきましたが、今回はグレードとして設定する形を採用してきました。外観は専用色が用意されていたり、LLビーンのエンブレムや大型のフォグランプが標準で装備されるなど、比較的わずかな違いしかありませんが、インテリア回りは本革シート、ステアリングホイール、ATレバー、パーキングブレーキレバーなどが用意され、格段に高い品質感が表現されています。

その割に価格アップは抑えられ、X20ベースのモデルで19万8000円高、XTベースのモデルでは17万円高とされています。フォレスターはそもそも割安感のある価格が設定されたモデルでしたが、LLビーンエディションの買い得感は大いに注目されます。インテリア回りではほかに、後席のシートがリクライニングするようになって、居住性が改善されています。

自然吸気のSOHCエンジンを搭載したX20も、動力性能に関しては特に不満を感じることはありません。足回りはけっこう柔らかめで、レーンチェンジをしたときの揺り戻しがちょっと大きめに感じられますが、フォレスター本来の性格と十分に確保されたロードクリアランスを考えたら、そうそう文句を言うべき筋合いものではないかも知れません。

関連サイト
フォレスター登場
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