クルマの賢い買い方・売り方/車購入ガイド

北米でウケている日産車9台にイッキ乗り! 日産北米モデル試乗レポート(3ページ目)

日産の北米モデルの試乗会が行われました。このガイドページの趣旨からは少し外れますが、簡単な試乗レポートを上げておきたいと思います。

執筆者:松下 宏

●Q45

日本ではシーマとして販売されているのがアメリカのインフィニティチャンネルで販売されるQ45です。搭載されるのはVK45DE型のV型8気筒エンジンで、日本仕様より1ランク上となる18インチの245/45タイヤを履くなど、よりスポーティなセダンをイメージしたクルマに仕上げています。タイヤのほかは大きく違う点はないのですが、足回りはかなり柔らかめでタイトコーナーなどでは落ち着かない気持ちにさせられてしまいます。まあ、ゆったり乗るためのクルマでしょう。ちょっと気になったのはATのインジケーターの表示のロジックが国内仕様と違った点。分かりにくい部分がありました。


●M45

セドリック/グロリアをベースに4500ccのVK45DE型V型8気筒エンジンを搭載したのがM45です。これまでセドリック/グロリアは基本的に国内専用車として作られてきましたが、現行モデルではアメリカ向けの輸出も行われました。日本では3000ccエンジンまでしか搭載していないセドリック/グロリアに4500ccエンジンを搭載するのですから、その走りは強烈なものとなります。パワフルな加速感は日本ではちょっと考えられない感じ。ハンドリングコースでは意外に確かな手応えを感じさせたものの、足回りは柔らかめでほとんどのコーナーでVDCが効きっ放しの状態になりました。


●MURANO

北米向けの新しいSUVで、FX35/FX45とはまったく違った雰囲気と走りのクルマに仕上げられていました。搭載エンジンはV型6気筒3500ccのVQ35DE型で、アメリカ向けのスタンダードエンジンともいえるもの。これにエクストロニックCVTが組み合わされており、滑らかで切れ目のない加速感がSUVの新しい走りを表現しています。足回りはちょっと柔らかめで、これがFXとの大きな違いになりますが、全体的な高級感などではMURANOも負けていません。強いていえば、騒音レベルがそんなに低くないことが難点ですが、これも国内導入の可能性があるクルマといえるかも知れません。

今回の北米モデルの試乗を通じて感じたのは、北米で好調な売れ行きを見せる日産が、それなりに良いクルマを供給しているなということです。ただ、アメリカ向けのクルマはやはり、ボディやエンジンの排気量が大きすぎてなかなか日本向けとしては現実的なクルマにはなりません。最小回転半径の大きさによる街中での扱いやすさなども含めて考えると、アメリカ向けのクルマを単純に日本向けにすることはできないでしょう。

ただ、アメリカ向けのモデルがあることで、日本向けのモデルが開発できる車種もあるワケで、このあたりのバランスをどううまく取るかが日産に限らず、多くの日本車メーカーの課題になると思います。
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