クルマの賢い買い方・売り方/車購入ガイド

北米でウケている日産車9台にイッキ乗り! 日産北米モデル試乗レポート(2ページ目)

日産の北米モデルの試乗会が行われました。このガイドページの趣旨からは少し外れますが、簡単な試乗レポートを上げておきたいと思います。

執筆者:松下 宏

●FX35

発売されたばかりの高級SUV。V型6気筒のVQ35DE型3500ccエンジンを搭載しています。これがけっこう凄いクルマでした。先に乗った2台がトラックとトラックベースのSUVだったのに対し、このFX35は高速走行も意識したSUVです。明らかにBMWのX5を意識して作られたことが分かるクルマで、動力性能のレベルは十分に高く、SUVとは思えないくらいの加速フィールを味わわせてくれます。5速ATもなかなかスムーズなものに仕上がっていたほか、シフトのマニュアル操作にもしっかり応えてくれました。室内はエンジンを回したときにはちょっとうるさいものの、クルージング状態での静粛性は十分なレベル。運転席回りの雰囲気は適度なタイト感と高級感があって、なかなか良いものでした。


●FX45

FX35に輪を掛けて凄いのがFX45。V型8気筒のVK45DE型4500ccエンジンを搭載するのですから、その加速フィールは凄まじいばかりです。がっちり固められた足回りは高速域での高い操縦安定性を示しますし、十分な手応えがあってシャープな応答性を示すステアリングフィールはこれがSUVのものかと思えるほど、SUVのような形をしたスポーツカーを作ろうとしたのがこのクルマといえるでしょう。強いていえば、サスペンションは硬すぎる印象がありましたが、日本に導入されても良いと思えるくらいで。まあ、価格を考えるとなかなか現実的な販売台数にはならないかも知れませんが、検討する余地はあると思います。


●MAXIMA

先に日本で販売されたティアナの長兄に当たるのがMAXIMAで、上級セダンとしてのゆったりした感覚を備えています。3500ccのVQ35DE型V型6気筒エンジンは余裕十分の動力性能を備えるほか、5速ATの組み合わせによって、静かでスムーズな走りを実現しています。乗り心地やステアリングのフィールなどは全体的に柔らかく、アメリカの上級車といったイメージでした。広いテストコース内を走っただけなので、良さばかりが目立ちましたが、日本の道路交通環境の中で考えると、全幅や最小回転半径など、扱いにくい面が出てしまうと思います。


●ALTIMA

ティアナの次兄に当たるのがALTIMAで、MAXIMAのひとつ下に位置するクルマです。ただ、ALTIMAの走りのフィールはMAXIMAとは大違いで、こちらはあまり感心しませんでした。搭載エンジンが直列4気筒2500ccのQR25型になることもあって、加速フィールはやや劣るし、全体としては満足できるにしてもV6に比べると騒音レベルも高くなります。またサスペンションは乗り心地の良さというよりもフニャフニャ感が強く、ステアリングも柔らかすぎる印象です。今回の試乗ではMAXIMAに先に乗りましたが、開発の順番としては最初にALTIMAが作られて、それを改良する形でMAXIMAが作られ、それを受け継ぐ形でティアナになったそうです。国内仕様のティアナがALTIMAに比べたらずっと良いクルマだったのは、そうした理由からです。
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