VTRの乗り心地はシトロエンとしてはかなり固めだったが、それをベースにスプリングを固め、スタビライザーを太くしたVTSは、さらにハード。街中はもちろん、高速道路でも、短いボディゆえの小刻みな上下の揺れが気になる。でもダイレクトなショックはない。ボディ剛性の高さのためもあるだろうが、VTRと同じスポーツシートの座り心地のよさに助けられている感じもした。
ステアリングは、電動パワーアシストらしからぬフィーリングのよさはそのままに、ロックtoロックは2.8回転から2.6回転になった。これは切った瞬間にわかる。切れ味も、身のこなしも、VTRより鋭くなっていたからだ。その後もVTRのようなノーズの重さはほとんど感じないまま、切ったとおりにクルッとコーナーを抜けていってしまう。しかもVTSにはESPも装備されているから、安心してペースを上げることができた。
C2VTSは、これぞホットハッチといいたくなるクルマだった。シフトレバーをこまめに動かしてエンジンを上まで回し、せまりくるコーナーをリズミカルにこなしていくのがとにかく似合う。ただしそこに荒っぽさはない。加速やハンドリングは洗練されているし、乗り心地もなんとかガマンできるレベルに収まっている。元気だけれど子供っぽくないコンパクトスポーツだった。
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