フォルムはオーソドックスだが、ルノーらしい技の効かせ方
メガーヌ・グラスルーフカブリオレがデビューしたのは2003年春のジュネーブ・モーターショーで、日本ではその年秋の東京モーターショーのときに初上陸した。このときはヨーロッパと同じように「クーペカブリオレ」と呼ばれていたが、ライバル(もちろんプジョー307CCだ)にはない電動開閉式グラスルーフを強調するためだろう、日本ではグラスルーフカブリオレと呼ばれることになった。
日本仕様は2リッターエンジンと4速ATを組み合わせた右ハンドルの1グレード。価格は388.5万円で、307CCのベースグレードとプレミアムの中間だ。ボディカラーは6色、インテリアカラーは2色ある。今回試乗したのはブラックのボディにレッドのインテリアという、夜の六本木あたりが似合いそうなコーディネイトだったが、試乗したのは真昼の湘南だった。
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ボディサイズは4370×1775×1405mmで、ハッチバックより155mm長く55mm低い。ホイールベースも違っていて、105mmも短い2520mmになっている。おかげでプロポーションは、ルーフを開けても閉めてもきれい。ハッチバックのあのお尻がなくなったおかげで、個性は薄れたけれど、代わりに普遍的な美を手に入れた感じ。なんとなくではあるが、プジョー306カブリオレを思わせる。
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ボディの製作は初代メガーヌのカブリオレと同じように、カルマンが担当。ただしボディサイドにカルマンのエンブレムはつかず、サイドシルに浮き文字でKARMANNと刻まれるだけだ。スクエアなトランクリッドは、アンテナやハイマウントストップランプの置き方がカッコいい。フォルムはオーソドックスでも、このあたりの技の効かせ方はさすがルノーだ。