ルーフの開閉は25秒。206CCでは前端のロックが手動だったが、こちらはフルオートだ。もうひとつの違いは、リアウインドーとその脇のCピラーを切り離して畳むこと。これはガラスの部分をピラーより薄く畳むため。オープンのときにトランクを開けると、その効果がわかる。ちなみに容量はクーペのときが350リッター、オープンのときが204リッターだ。
最初に乗ったのは100kWエンジン+ATのプレミアムAVN。307CCのボディは1490kg(全車共通)とけっこう重いのだが、加速に不満はなく、上り坂でもアクセルを床まで踏むことはあまりなかった。ATは前よりも変速がスムーズになり、ギアの選び方も違和感がなくなって、4速でも不満には思えなかった。音はけっこう静かで、クーペのときはハッチバックより上に思えるほどだ。
S16は206RCと同じように、クラッチがスパッとつながることと、アイドリング付近のトルクが薄いことが気になるが、走り出すと2000rpmぐらいでもふつうに走れる。でも基本的には、回せば回すほど力が出てくる性格。とくに5000rpmあたりから上の加速は爽快で、しかも100kWとは別物の速さだ。MTということもあってレスポンスは鋭く、フォーンという乾いた排気音も雰囲気だ。