
リアは形式こそいままでと同じマルチリンクだが、コイル/ダンパーユニットを思いきり寝かせている。こちらは206のトレーリングアームと同じように、ラゲッジスペースへの出っ張りを抑えるのが目的だろう。サスペンションをマウントするクロスメンバーは、スティール製から軽合金製にグレードアップされている。前後のダンパーはもちろん自製。V6には9段階可変のバリアブルダンパーが装着されている。

パワーステアリングは3タイプを用意。1.6/1.8リッターはエンジン駆動ポンプによる油圧式、2/2.2リッターは電動ポンプによる油圧式、V6はバリアブルタイプの油圧式(エンジン駆動ポンプ)だ。フロントがベンチレーテッドの4輪ディスクには、ABS、EBD、ブレーキアシスト、ESPが標準装備された。このうちEBDは、いままでのような前後制御だけでなく、左右制御も行ってくれる。

安全性では、エアバッグを合計9つ装備していることが目につく。9つめはステアリングコラムに取り付けられ、脚の損傷を防止するという。前席にはむち打ち防止のアクティブシートバックも採用。ボディではフロントのサイドメンバーに加え、アルミ製サブフレームを伸ばして第2のサイドメンバーとした点が画期的だ。

正直いうと、エクステリアデザイン、とくにフロントマスクの造形にはまだなじめない。でも、そのフォルムの中にあるメカニズムは、けっこう注目すべき点が多い。とくにサスペンションは、資料を見ながらうなってしまうほど、凝りに凝っている。新世代のネコ足が、どんな走りをもたらしてくれるのか。ちょっと楽しみだ。