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同じエンジンを積むプジョー206がそうであるように、エンジン音は滑らかで心地よい。しかも1.4より回転を上げないで走れるので、静かさも完全に上だ。スポーティという感じではないが、上級グレードらしい質感の高さはある。
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乗り心地は1.4より固めになっている。低速で段差を通過したときのショックははっきり伝わるようになったし、うねりを通過したときのゆったりした揺れも控えめになっている。反面、ステアリングの反応は鋭くなり、現在のクルマではかなり大きめだったコーナーでのロールは少なくなって、山道などはキビキビと走れるようになった。
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力強いエンジンとMTライクなトランスミッション、やや固めの足まわりを組み合わせた1.6は、ほんのりスポーティテイストを含ませたC3だった。それとともに思ったのは、エンジンや足まわりはこちらのほうが万人向けだということだ。個人的にはシトロエンらしさが濃い1.4のほうが好みだが、いずれにしても、装備の違いによるグレード構成よりは、こちらのほうが分かりやすくていいと感じた。