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エンジンは今までと同じ。低回転でのパンチ力、中~高回転での滑らかな吹け上がりとフォーンという快音。ホットハッチとして文句のつけようがない。乗り心地は固めだがフラットで、快適という言葉が使えるほどだ。マイナーチェンジ前のモデルと比べると、エンジンやステアリングのレスポンスは少しマイルドになったが、それ以外はあらゆる面で良くなっている。
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注目のESPは、乾いた路面ではほとんど出番がない。それだけハンドリングのレベルが高いわけだ。一方濡れた路面ではESPが働き、コーナーでアクセルを踏みすぎたときのフロントのふくらみや、アクセルを閉じたときのリアの滑りが抑えられ、安定した走りを楽しめるようになった。ESP作動中はメーター内の警告灯が点滅するが、それ以外に体感できるものはない。システムの完成度が高い証明だろう。
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前で触れたように、ESPキャンセルスイッチも付いているが、解除するのはサーキットなど、特殊な条件のときに限っていいだろう。走りの楽しさを失うことなしに、ポテンシャルを引き上げているからだ。マイナーチェンジで大人っぽさを増したRS2.0にふさわしい装備に思えた。それにしても、同じルーテシア・ルノースポールを名乗りながら、対照的な2台である。