このクラスのヨーロッパ車の右ハンドル仕様は、ドライビングポジションに難のあるものが多いが、C3はほとんど違和感がない。ペダルが左に寄っていたり、アクセルが手前すぎたりせず、ステアリングはチルトのほかにテレスコピック機構も付き、シートにはハイトアジャスターが装備されているから、ほとんどの人は不満を抱かないはずだ。
センターパネルのレイアウトは左ハンドルそのまま。楕円形のスイッチは、使っているものが右側に来るので、ドライバーから近いのがありがたいが、ステアリングに隠れて見えないこともあった。ATのシフトパターンは表示が左側にくるが、メーター内にポジションが表示されるので不満はない。トルコン式ではこのクラスの輸入車で唯一のマニュアルモード付きだ。
助手席側の上下2段のグローブボックスは健在。左ハンドル車と比べると、容量は少なくなったが、カップホルダーや小さなポケットが付いた。ラゲッジスペースの「モジュボード」は、仕上げも動かすときの音もプラスティッキーだが、フロアが6:4分割で折り畳んだまま固定できたり、半分に仕切って使えたりという機能は、今までになかった。どうやって使いこなすかを考えるのが楽しそうだという意味で、フランス車らしい。