プジョー/プジョー

ロードインプレッション 2リッター、5速MTの206CC

日本でも大ヒットのプジョー206CCに最近追加された、2リッターエンジン・5速MTのS16。早速試乗してきたので、その印象をお届けしよう。

執筆者:森口 将之


プジョー206CCは、本国では2つのグレードがある。1.6リッターエンジンを積むベースモデルと、2リッターエンジンを搭載したS16だ。今まで日本へは、4速ATの設定がある1.6リッターのみが輸入されてきたが、今月からS16も加わった。もちろん5速MTで、右ハンドル。価格は1.6リッターATの15万円高となる290万円となった。


外観は1.6リッターモデルと比べると、フロントバンパーがハッチバックのS16と同じ大きな開口部を持つタイプになり、フロントフェンダーの後ろにS16の文字が入る。アロイホイールはハッチバックS16と同じ9スポークの16インチで、タイヤサイズも同じ205/45ZR16と太くなった。ただ、CCそのもののデザインがかなり個性的なので、それほど変わったという感じはしない。

インテリアは1.6リッターモデルとほとんど同じ。違うのはシフトレバーとペダルだけで、こちらはハッチバックS16と共通だ。もちろん電動メタルトップもそのまま、と思ったら、開閉の作業が終了したときになる合図が、ピーというブザーからソフトなチャイム音に変わった。そのうち1.6リッターモデルもこちらになるのかもしれない。

エンジンはもちろんハッチバックS16と同じ2リッター直列4気筒DOHC16バルブ。100kW/194Nmの最高出力/最大トルクも変わらない。組み合わせられる5速MTも、ギア比を含めて共通だ。車両重量は1190kg。ハッチバックS16より110kg重いが、同じCCの1.6リッターモデルと比べるとこちらのほうがむしろ20kg軽くなっている。

そんなこともあって、加速は1.6リッターより全然力強い。高速道路や上り坂などでも床まで踏み込むことはなく、とにかく余裕がある。ボディが重くなった分、アクセル操作に対する反応はハッチバックS16に劣るが、MTだけあってそれなりのダイレクト感は味わえる。

エンジンの性格も今までどおりで、どこかでパワーやトルクが盛り上がるようなことはない。ただ音のほうは、オープンにしていると3000rpmを越えたあたりからのフォーンという排気音がはっきり聞こえるようになった。クーペの状態ではほとんどハッチバックと同じボリュームに抑えられるが、1.6リッターに比べてとくに静かというわけではなかった。
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