インテリアは最上級セダンに相応しく、洗練されたデザインと高い質感、充実した装備類を備えている。運転席/助手席の独立調整が可能なオートエアコンは、グローブボックス内にもダクトが導かれていて、風量コントロールもできる。リアガラスには強い陽射しを後部乗員から遮る電動サンシェードを装備。3層式のシールドドアやフロント/サイドウインドーに断熱ガラスを採用することで、優れた遮音性も実現しているという。
人間工学に基づいて設計されたシートは、たっぷりとしたサイズと優れた座り心地で、フレンチセダンの最高峰に相応しい仕上がりだ。フロントシートは電動パワーシートを採用。さらに多機能リモコン付きイグニッションキーを使うことで、ドアロックの解除に合わせてドライビングポジションとドアミラーの角度が理想的な位置に調節されるという。
インテリアカラーはスポーツではブラックファブリック。コンフォートではデルフトブルー、マーキュリーグレー、バルカンレッド、ビアンカホワイトではブラックレザー、それ以外のボディカラーではタンレザーとなるが、受注生産でボディカラーにかかわらずアイボリーレザーを選択することもできる。
快適なドライビングをサポートするため、607にはIT機能を有機的に結んだマルチプレックス(多重通信)システムを搭載。緊急制動時にハザードランプを自動的に点滅させたり、イグニッションを切った後も45秒間ヘッドライトを点灯させる機構などを実現している。マルチプレックスシステムの採用で、電子部品の接点数をほぼ1/4に減らすことが可能になり、信頼性を向上させるとともに、重量の軽減にも貢献しているという。