アルファGTはベルトーネ社が企画し、その生産を行うことまで見越してアルファロメオーフィアット側に提案したクルマだ。そのため、可能な限り既存のパーツやコンポーネンツを流用し、できるだけ安く作り上げることを第一義とした。
アルファロメオとしてもGTVがあるわけで、モデルチェンジに時間がかかっているとはいえ、生半可な計画だったら目もくれなかったことだろう。お金が思ったほど掛からず、モデルチェンジまでのいい繋ぎができた、と当初は膝を打ったに違いない。それもこれも老舗カロッチェリアならではの“ワザ”だ。
実際に出来上がったクルマを見て、アルファロメオ首脳の考えが少し前向きになった。新型GTVまでの場つなぎだけじゃあまりにもったいない。これはこれでアリだな。今後はさらなるハイパフォーマンスモデルや4WDモデルなども予定されている。イメージ的には往年のランチアデルタのような位置づけにしていきたいらしい。
あり合わせの材料をひっかき混ぜて造ったにしては、美味い料理になった。そんな感じだろう。さすがベルトーネ、ではある。
もっともアルファロメオファンとしてはミートソース=156が出て、ボンゴレ=147が出て、クリーム風味=スポーツワゴンが出て、さらには爆弾ソーセージ入り=GTAやペペロンチーノ=1.6リッターのようなバリエーションもあって、でもみんな長いパスタでそろそろ飽きたかな、ってところにまたスパゲッティにペスト・ジェノベーゼかよ、おい。という感じかも知れない。たまにはリゾットを食わせてよ・・・。そんな時期ではある。まあ、これは来年発表とも言われているアルファ157に期待しようじゃないか!