
試乗コースとなったタルガフローリオのスタート&ゴール地点周辺は、荒れた路面に加え折からの小雨に濡れ、さらには農作業車が撒き散らす泥のせいで、2WDのハイパフォーマンスカーを試すにはサイアクのコンディションであったとしか言いようが無い。

3.2lの250psV6エンジンが発する明らかに野太いアイドリングノイズに誘われてアクセルペダルを思い切り踏むと、いとも簡単にホイールスピンを起こす。トラクションコントロール(ASR)が間髪いれずに作用し、クルマはリニアには前へ進まない。タイトで硬いシートの上で緊張する腰の力を少し緩めてアクセルペダルをパーシャルに。そうすると、ようやくGTAは普通のV6156のようにガッと前へ掻き進むのだ。
