スタートの日、車検の間は初夏の日差しが眩しい陽気でしたが、車検が終わる頃になると途端に空が暗くなり始めました。ヨーロッパはサマータイムを実施していることもあって、9時頃まで明るいもの。どうやらスタートは雨になりそうです。
夜8時のスタートは、やはり雨。しかも前が見えない程の大雨です。バルケッタタイプが多いので、見ている方がヒヤヒヤします。あんな高価なクルマたちをびしょびしょにして、しかもそのまま1600kmの旅に出るなんて・・・。
実際、スタートの雨が祟ったのか、今年の完走車は非常に少なく、100台程度がリタイアしたといいます。
翌日、ボクはサンマリノ公国でエントラントを待ちかまえました。山の上にある小さな、そして最も古い国、それがサンマリノです。その頂上にある中世の城跡からは、彼らが登って来るであろうワインディングを全望することができます。耳を澄ますと、聞こえてきました。静かな空気を一瞬つんざく轟音が・・・。
豪雨を走り抜いたエントラントたちが、轟音を響かせながら山を登ってきま
した。