乗り心地も向上
パワートレインに関する変更はなく、2.5L直列5気筒ターボエンジンは、169kW[230ps]、320Nm[32.6kgm]というスペック。これにギアトロニック5速ATが組み合わされる点も同じ。5気筒独特のビート感を奏でつつ、最近の小排気量の直噴ターボエンジンと異なる、いわゆるターボエンジンらしいパワフルな盛り上がり感を持っています。
乗り心地についても、従来はちょっとドタバタした印象が強かったところが、いくぶん洗練され、引き締まった中でしなやかさが増したように感じられます。
特徴的な動き方をする3分割のリトラクタブル・ハードトップを開けると、期待どおりの開放感を楽しむことができます。逆に閉じると、実はオープンカーにもなるというのが信じられないほど、静粛性も極めて高く、しっかり外界と隔離されたキャビンに包まれる感覚となります。しかも4人乗り。C70は、1台でクーペとオープンカーの両方を見事なまでに使い分け、しかもファミリーユースにも使えるという、1台でなんでもこなせる、実にマルチなスペシャリティカーなのです。
そんなC70は、これまでちょっと地味なルックスだったところが、このように華やかなルックスになり、しかも価格が下がりながらも、内容の充実が図られたことを歓迎したいと思います。