ハイブリッドカー/ハイブリッドカー基礎知識

ちゃんと「スポーツカー」してるCR-Z(2ページ目)

ホンダから期待の新型ハイブリッドカー「CR-Z」が、ついに発売された。スポーティなスタイリング、「CR」を関したネーミングにこめられた思い、ハイブリッドカー世界初の6速MT車の設定と、期待せずにいられない。

岡本 幸一郎

執筆者:岡本 幸一郎

車ガイド

モーターのトルクで引っ張る力強さ

エンジンスペックは、MTの場合で、最高出力84kW[114ps]/6000rpm、最大トルク145Nm[14.8kgm]/4800rpm。モーターは最高出力10kW[14ps]/1500rpm、最大トルク78Nm[8.0kgm]/1000rpm

パワートレインは、IMA(インテグレーテッド・モーター・アシスト)に関してはインサイトと同じで、モーター自体の出力も同じなのですが、エンジンが1.3Lではなく1.5Lになっているので、200ccの排気量の差による加速の力強さは期待どおりのものがあります。ただし、いわゆる「VTEC」と聞いてイメージするような、上まで回したときに高回転仕様のカムに切り替わって、痛快な吹け上がりを示す、という印象ではなく、低速からグッとモーターのトルクで引っ張り、その力強さを楽しめるようにしたという味付けです。

MTとCVTでは、エンジンスペックが微妙に違うのですが、体感される加速フィールとしては、MTのほうがよりダイレクトにモーターによるアシストを感じることができます。MTのシフトフィールもよく、シフトチェンジが楽しみになる味付け。一方のCVTも、低回転域でのトルク特性に優れるモーターの恩恵で、CVTにありがちな変速比が大きく変化するときの違和感が小さいところも好印象です。これはインサイトのときにも感じられたのですが、フィットなどノンハイブリッドの小排気量エンジンにCVTを組み合わせた車種に対する大きなアドバンテージといえるでしょう。さらに、MT/CVTとも3つのモードにより3段階の性能を楽しむことができるのも特徴です。

そして、もちろんアイドリングストップします。MTとCVTではアイドリングストップの制御が異なり、MTのほうが複雑で、トータルでは長い時間止まっている印象です。ただし、現行のインサイトやシビックハイブリッドにある、一定の条件が整った際に全気筒休止しながらモーターのみでの走行が可能となる制御は採用されていません。

運転席側にドライビングに必要な機能を集中配置。クリスタルブルーの照明による未来感が印象的


エクストラウインドウにより後方視界を確保しているが、折り返し点に配された横方向のバーが隠す部分がちょっと気になる


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