ついに3ナンバーへ
そして2005年8月、3代目のNC型ロードスターがデビュー。初代への回帰を図ったように見えるスタイリングながら、ボディサイズはついに5ナンバー枠を超えました。エンジンも、2Lがメインとなっています。このクルマに初めて乗ったのは筑波サーキットだったのですが、従来よりもグッとボディ剛性が上がっていたのが印象的でした。
しかしその後、箱根をはじめ、いろいろな場所で、チューニングメーカーのデモカーなども含め、頻繁にドライブする機会があったのですが、正直、乗れば乗るほど「イマイチ」という思いに。それは、ロードスターの美点である走りの一体感が薄れていたから。具体的には、まず重い。そして、ステアリングは切り始めの手応えが薄く、それでいてあるところからギュンと曲がり、コーナリングでは途中から急激にオーバーステアになるなど、トリッキーな動きを見せたことなど。RX-8であれだけ完成していたものが、なぜかロードスターでは煮詰めの甘さが感じられたのです。それでも素性は悪くないので、マイナーチェンジに期待したいと思っていました。
そんな中で、ロードスターの歴史に新たな流れが加わります。「RHT」の登場です。やはり、こうしてオープンカーのトレンドである電動ハードトップを望んでいたファンは少なくなかったようで、以降、ロードスターの販売の大半を、このRHTが占めるようになっていきます。
そして2008年12月、マイナーチェンジとしては異例といえるほどの大がかりな変更が実施されます。ハンドリングだけでなく、エンジンフィールやインテリアの質感など、クルマとしての素性が大きくグレードアップしています。今回の20周年記念車も、もちろんその改良が加えられています。