いちはやく世に出たVGS
2000年7月には、VGS(車速応動可変ギアレシオステアリング)を採用した「タイプV」が追加。世界に先駆けて、いわゆるアクティブステアリング機構を導入したわけです。ところが当時は賛否両論で、やや完成度に難があったのは否めません。しかし、とやかくいわれたものの、現在ではBMWをはじめドイツ勢が積極的に採用しているのを見るにつけ、目のつけどころは決して悪くなかったのだと思っています。
さらに、2005年11月のマイナーチェンジでは、先に北米向けモデルに採用されていた2.2Lエンジンが、日本で販売されるS2000にも搭載されました。これにより中低速トルクが増し、扱いやすくなったのは事実。しかし、ピークパワー値やレブリミット回転数はダウンしており、それがファンの間で物議をかもすこととなります。
個人的な見解ですが、現時点ではS2000の中古車というと、年式相応の相場となっているようですが、もう少し時間が経つと、クルマとしての完成度が高いとか低いとかいうのは抜きにして、9000rpm回せるオリジナルの2Lエンジンのほうが、「本物のS2000」として、おそらくいずれは高値になっていくのではないかと思っています。
そして2007年10月には、VSA(ビークル・スタビリティ・アシスト)や、サテライトスピーカーが標準装備化されます。さらに、専用フロントスポイラーおよびリアスポイラー、ストレーキ(タイヤの前に配する整流板)、専用シート、専用シフトノブなどを与えた「タイプS」が追加され、現在にいたります。
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