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まもなく生産終了、S2000の10年を振り返る(2ページ目)

2009年1月27日、ついに6月いっぱいでの生産終了が正式に発表されたS2000。9000rpm回せるVTEC、オープンカーらしからぬ高剛性ボディ、VGSの追加、2.2L化などなど、話題に事欠かなかったS2000の半生を振り返る。

岡本 幸一郎

執筆者:岡本 幸一郎

車ガイド

いちはやく世に出たVGS

VGSを搭載した「タイプV」のコクピット。標準モデルとステアリングホイールのデザインも異なる。ロック・トゥ・ロックは標準モデルの2.4回転に対し、1.4回転までクイックになる
2000年7月には、VGS(車速応動可変ギアレシオステアリング)を採用した「タイプV」が追加。世界に先駆けて、いわゆるアクティブステアリング機構を導入したわけです。ところが当時は賛否両論で、やや完成度に難があったのは否めません。しかし、とやかくいわれたものの、現在ではBMWをはじめドイツ勢が積極的に採用しているのを見るにつけ、目のつけどころは決して悪くなかったのだと思っています。

2001年9月、外装色13色、内装色5パターン、幌色2色から好みの色を組み合せることのできる「カスタムカラープラン」を導入
2002年10月に発売された特別仕様車「ジオーレ」では、タン内装をはじめS2000の違う側面を見せた2003年10月のマイナーチェンジでは、内外装の変更とともに、タイヤサイズ拡大をはじめ足まわりが改良されました。これより乗り味がガラリを変わります。ピーキーと評されることの多かったハンドリングはずいぶんマイルドになり、硬派だった乗り心地も快適性がいくぶん向上しました。



2003年10月のマイナーチェンジで、タイヤを17インチ仕様とし、リアは245サイズに拡大。サスペンションセッティングも大幅に見直された。価格350万円~370万円
さらに、2005年11月のマイナーチェンジでは、先に北米向けモデルに採用されていた2.2Lエンジンが、日本で販売されるS2000にも搭載されました。これにより中低速トルクが増し、扱いやすくなったのは事実。しかし、ピークパワー値やレブリミット回転数はダウンしており、それがファンの間で物議をかもすこととなります。

個人的な見解ですが、現時点ではS2000の中古車というと、年式相応の相場となっているようですが、もう少し時間が経つと、クルマとしての完成度が高いとか低いとかいうのは抜きにして、9000rpm回せるオリジナルの2Lエンジンのほうが、「本物のS2000」として、おそらくいずれは高値になっていくのではないかと思っています。

2.2L化され、DBW(ドライブ・バイ・ワイヤ)を採用するなどしたF22C型エンジンは、最高出力178kW(242ps)/7800rpm、最大トルク221kW(22.5kgm)/7500rpmというスペックに
そして2007年10月には、VSA(ビークル・スタビリティ・アシスト)や、サテライトスピーカーが標準装備化されます。さらに、専用フロントスポイラーおよびリアスポイラー、ストレーキ(タイヤの前に配する整流板)、専用シート、専用シフトノブなどを与えた「タイプS」が追加され、現在にいたります。

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