スタイリングに興味津々
ボディサイズは、4250×1845×1315mmと、先代Z33よりも65mm短く、30mmワイドに。価格362万2500円~446万2500円 |
スポーツカー好きの筆者は、「フェアレディZ」というだけで、つべこべいわずとにかく「大好き!」な人間ですから、新型Z34が出たことも、心から喜ばしく思っています。
先代のZ33が登場したのが2002年夏なので、これまでのZの歴史からすると、もっとモデルライフが長いのではと予想していましたが、スクープ誌で報じられていたとおり、Zとしては異例といえる、比較的早いタイミングでのモデルチェンジとなりました。
実は筆者は、先代Z33が出たときにも、けっこう本気で買おうと思ったことがありました。ところが、試乗して、やっぱりやめようと思ってしまったんです。Zという存在そのものに憧れているし、Z33のデザインも大好きだったのですが、肝心の走りがどうにも気に入らなかったのです……。
Z33が出る少し前までRX-7(FD3S)に乗り、「これこそスポーツカーだ!」と思っていた筆者にとって、残念ながらZ33の走りはスポーツカーとして及第点に達していませんでした……。けっきょくそのときは、FD3Sの中古車を購入することに。それでも、Z33が好きか嫌いかといえば、迷うことなく「大好き!」なクルマの1台ではありました。取材でいろいろなチューナーがチューニングしたZ33に乗る機会も多く、それは非常に楽しみな経験でした。
そして2008年末、Z34型フェアレディZ登場。まずスタイリングに興味津々。歴代Zも、いずれもユニークなスタイリングを持つスポーツカーだと思っていましたが、Z34にもやられました。個性的で存在感があり、そしてあくまでもZらしい。素晴らしいデザインだと思います。往年のS30の面影を感じさせる部分もあるし、特徴的なブーメラン型の前後ランプや、大胆なフェンダーのふくらみなど、非常に印象に残るスタイリングです。
ドライブフィールについては、Z33が先に述べたような感じだったもので、それとの比較をまじえながらお伝えしたいと思います。個人的に、Z33や先代V35スカイラインなど、日産の一世代前のFR車には、どれも共通してよろしくない印象がありました。エンジン、ミッション、ハンドリング……走りに関する一連の要素が、どうも気持ちよくなかったのです。
とはいえ、Z33~Z34の開発責任者である湯川CPS(チーフ・プロダクト・スペシャリスト)の当初の言葉どおり、Zは毎年何らかの形で「進化」。6年のモデルライフ中で、よくぞここまでというほど改良が繰り返され、後期モデルでは、だいぶよくなったように感じさせる走りを手に入れていました。とくに、オーテックジャパンが手がけたバージョンニスモには感心したものです。
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