ポルシェ/ポルシェ

PDK+PTM搭載の新型ポルシェ911カレラ4S(3ページ目)

2008年夏のマイナーチェンジでパワートレインを一新。直噴化された3.6L/3.8Lのフラット6に、ダブルクラッチ式の2ペダルMT「PDK」を搭載。カレラ4/4Sには、さらに電制制御4WDシステム「PTM」が与えられた。

岡本 幸一郎

執筆者:岡本 幸一郎

車ガイド

ティプトロニックも併売すべき?

走行/運転状況により前輪に最適な駆動力を配分する「PTM」(ポルシェ・トラクション・マネージメント)を採用。従来のビスカス方式よりもはるかにレスポンスに優れる
また、電子制御ダンパーシステムの「PASM(ポルシェ・アクティブサスペンション・マネージメントシステム)」や、ボタン操作により一層スポーティな走行モードにすることのできるオプションの「スポーツクロノパッケージ」も、このクルマをより楽しませてくれる装備につき、ぜひ装着することをオススメします。

PTMとリアデフについては、今回はドライ路面の一般道での試乗だったため、メリットをつぶさに体感することはできませんでしたが、攻めたコーナリングを試すと、アンダーステアをできるだけ出さないように、そしてエンジン出力を余さずトラクションに変換するために、緻密に制御していることがうかがえます。降雨時や積雪時など条件が悪い路面を走るとなると、その恩恵はより大きなものになるはずです。

また、もともとカレラ4Sは回答性が高く、それでいて前後とくにリアのスタビリティとリアのトラクションの非常に高いクルマですが、新型では一段と高い次元に達しているように感じられます。

バケットタイプのシートが適度なホールド感をもたらし、スポーティな走りを支える
こういう印象なんですが、PDKについては、いろいろな見方ができると思います。

MTの進化版と捉えると、シフトチェンジに要する時間は短縮されるし、ギアが1段増えるので、たとえばサーキットでタイムを競うようなシチュエーションでは、わずかながらタイムアップするケースも多いはずです。その意味では、次世代MTのひとつの姿といえるでしょう。

しかし、ラインアップとしては、PDKはティプトロニックの後継と位置づけられています。ところが、現時点のPDKは、ティプトロニックほどのイージードライブ性を実現できていないように感じます。とすると、新車購入層の9割近くがティプトロニックを選んでいたという日本市場においてはなおのこと、しばらくティプトロニックも併売すべきではないかという気もしてしまうわけです……。

いずれにしてもポルシェのことですから、1~2年も経てば、今よりずっと洗練されたものを世に出してくれることでしょう。期待したいと思います。

カレラ4SなどS系モデルには、スポーツ性能をさらに追求したダイナミックな19インチカレラS II ホイールが標準装備される
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