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ドーム型で「焼き」の機能を強化!東芝・石窯ドーム

2009年オーブンレンジの新製品より、ガイドが注目している「東芝・石窯ドーム」を試してみました!「焼き」の実力を中心にご報告します。

執筆者:戸井田 園子

ガイドが注目している「東芝・石窯オーブン」ドーム型をPRしたデザインも目を惹きます

ガイドが注目している「東芝・石窯ドーム」ドーム型をPRしたデザインも目を惹きます

2009年も各社からオーブンレンジの新製品が発売されました。ここ数年、加熱水蒸気の代名詞とも言える「シャープ・ヘルシオ」と、便利さとおいしさが自慢の「パナソニック・ビストロ」が、2大横綱として君臨していました。

そんな中、ガイドが注目しているのが、この「東芝・石窯ドーム」です。扉デザインからもイメージできる「ドーム型」の庫内で、「石窯」のような焼き上がりを目指し、オーブン機能を強化してきました。

その実力を検証すべく、1ヶ月間ガイド宅にて試用しました! それではご報告です。

オーブン・グリル「焼き」機能の実力いろいろ

まずは大きく進化した、オーブン機能から。オーブン加熱には、熱風で包み込むように焼く一般的なオーブン「石窯ドーム」、高温の水蒸気で焼きあっさりした仕上がりの「加熱水蒸気」、余分な油脂を落としつつ、おいしさを残す「ハイブリット石窯」の3パターンがあります。これらは、手動で選ぶことはもちろん、自動メニューでも好みに応じて使い分けられるものがあります。それでは実例をいくつかご紹介しましょう。

■鶏もも焼き
まずは、定番の鶏もも焼きをお試し。自動メニューに「鶏もも焼き」は無いので「照り焼き」で代用。焼き方は「ハイブリッド石窯」をセレクト。調理時間は予熱なしで20分でした。

焼き上がりは、やや焼き色が薄いと感じます。今回は「照り焼き」自動メニューを応用しているため、みりんとしょうゆで下味をつけて焼くため焦げやすい「照り焼き」と、塩・黒コショウで味付けをした場合とでは、焼き時間が違うからかもしれません。

食べてみると、しっかり火が通っているのに中はジューシー。皮も油が適度に落ちて食べやすく感じました。ガイドは皮目がこんがりしているのが好きなので、その後、手動で「石窯オーブン・6分程度」を追加加熱し、少し焦げ色をつけてました。こんがりローストが好きなら、設定されいる時間より長めに加熱すると良いようです。
左上:調理前/右上:自動調理終了/左下:オートメニューの焼き上がり/右下:追加加熱した状態

左上:調理前/右上:自動調理終了/左下:オートメニューの焼き上がり/右下:追加加熱した状態


■ハンバーグ
続きまして、ハンバーグです。レシピでは4個になっていたのですが、今回は6個でお試し。自動メニュー「ハンバーグ・加熱水蒸気」をセレクト。初期設定では調理時間は予熱なしで20分となっています。自動メニューとは言え、焼き時間は変更可能なので、分量が多い分を考慮し、25分でスタートしました。

25分加熱後、焦げ色はまだつかず白っぽく、蒸したという印象。やはり、2個多いので焼きが足りないのかもしれません。念のため、少し味見をしてみると、中までキチンと火は通りふっくら+しっとりとした仕上がりです。これ以上オーブン加熱をすると、ジューシーさが減るのでは?と考え、焦げ目をつけるためだけの「グリル」で5分追加加熱をしてみたところ、程良い焦げ色となりました!

「加熱水蒸気」を選ぶと、パネルには「ヘルシー」と表示されるように、確かにあっさりとした味に焼き上がります。健康を気にする中高年にはうれしい仕上がりですが、ガツンと食べたい若者には「石窯ドーム」の方がおすすめでしょう。このように、自動メニューでも焼き方が選べるのは、使い勝手が良いと感じました。
左上:調理前、上段にセットしたハンバーグ/右上:焼き方「加熱水蒸気」を選択するとヘルシーと表示されます/左下:自動どおりの仕上がりは、まだ焼き色が薄い/右下:グリルで追加加熱をした状態

左上:調理前、上段にセットしたハンバーグ/右上:焼き方「加熱水蒸気」を選択するとヘルシーと表示されます/左下:自動どおりの仕上がりは、まだ焼き色が薄い/右下:グリルで追加加熱をした状態


■ピザ
市販のピザにトッピングを加えてトライ。自動メニュー「ピザ」を利用。調理時間は予熱時間を含めて約20分、予熱が終了すると電子音でお知らせ、その後ピザを入れて焼くという段取りです。ピザの場合、焼き方は選択できません。

予熱が10分程度で終了。ピザを庫内に入れ再度スタートボタンを押します。焼き時間の目安は9分30秒となっていました。

加熱終了後、仕上がりを確認。程良い焦げ色とチーズの溶け具合がバッチリの焼き上がりです。裏面も均一に焼き色が付き、とても上手に焼けていました。350℃という高温で焼き上げるだけのことはあります! とてもおいしく頂きました。
左上:予熱終了時の表示/右上:調理前/左下:自動どおりの仕上がり/右下:裏面も均一に焼けている

左上:予熱終了時の表示/右上:調理前/左下:自動どおりの仕上がり/右下:裏面も均一に焼けている


■パン焼き機能
実は、たくさんのパンメニューがあるのも、今機種の売り。レシピブックは、難易度が表示されるなど、これからパン作りを楽しみたい人にはうれしい配慮です。ということで、ガイドもチャレンジ。なかでも茹でる行程が必要なべーグルが、オーブンだけでできるのが評判!ということで試してみました。

生地作りを終えたあと、一次発酵は室温で、成型発酵はオーブンを利用して行います。一次発酵は室温で10分、成型発酵は30℃で40~50分が目安。今回は、室温がやや低かったせいか一次発酵があまり芳しくなかったので、ガイドは両方ともオーブンで、30℃の発酵を利用しました。

発酵終了後、オートメニュー「ベーグル」を選択。調理時間の目安は23分。ベーグルの場合、まず最初に蒸す行程があるのが特徴的。スタートボタンを押すと、扉が一面水蒸気で覆われ、すっかり中が見えなくなります。茹でる行程の代わりに蒸気で蒸すため、全てオーブンでできるという訳です。これはなかなか便利です。

約7分間のスチーム加熱が終わるとブザーが鳴り一旦ストップ。表面の照りを出すためシロップを塗り、再び加熱を再開します。残り16分は、石窯ドームで焼き上げる工程に入ります。待つこと16分。いよいよ焼き上がりチェーーックです。パッと見た目、やや色白の焼き上がり。試しに食べてみると、しっかりした生地のもちもち感に程良いしっとり感で、まさにベーグルでした!
左上:一次発酵した後、成型したところ/右上:成型発酵終了/左下:オートメニューの「蒸し」工程の様子/右下:自動メニューで焼き終わったところ

左上:一次発酵した後、成型したところ/右上:成型発酵終了/左下:オートメニューの「蒸し」工程の様子/右下:自動メニューで焼き終わったところ


この状態でも十分でしたが、もう少し焼き色を濃くしようと、オーブン190℃で4分追加加熱。程良いキツネ色になり、よりおいしそうになりました。
さらに焼きを追加して焼き色を濃い目にして完成!初めてにしては、まずまずの出来ばえでは?

さらに焼きを追加して焼き色を濃い目にして完成!初めてにしては、まずまずの出来ばえでは?


余談ですが、オーブンでパンを作る場合、当然、生地作りから始めるのですが……やはり自分でするのは大変。今回も、生地がなかなか滑らかにならず、味は問題なかったのですが、やや不細工な仕上がりとなってしまいました。こねる工程は、ベーカリーに頼る方が楽だなぁ~と感じたガイドです。

■さんま
焼きものと言えば魚! 旬のさんまを試してみます。こちらは「グリル」加熱を利用。4尾の場合、手動で18~23分前後が推奨。3尾なので、グリル・20分で設定しスタート。途中、残り時間7分の時点で一度ひっくり返すという工程です。

最初は13分加熱。焦げ目はしっかり! やや中央から後方に向けて焦げ色が強くつきました。次に裏返して7分。裏面は全体に均一の焦げ色が付き、非常によく焼けています。「庫内をドーム型にしたのは、端まで均一に焼くため」ということが立証された結果となりました。とてもおいしい焼き上がりに、満足でした♪
左上:調理前/右上:グリル20分で設定/左下:表面を焼き終えたところ/右下:裏面を焼き終えたところ

左上:調理前/右上:グリル20分で設定/左下:表面を焼き終えたところ/右下:裏面を焼き終えたところ


オーブンで魚を焼くと臭いが心配と感じる方もいるかと思いますが、庫内に臭いもほとんど残らず、片付けも簡単なので、おすすめです。しかし、最近はガスコンロでも両面焼きグリルが主流になっているので、できれば両面焼きにして欲しいですね!


ガイドが気になるオーブン・グリル機能の使い勝手

オーブン・グリルともに、手動設定・自動メニューに関わらず「追加加熱」をするには、再度、加熱方法と温度設定をしなくてはならなりません。ちなみに昨年は、加熱終了後1分以内であれば、時間ダイヤルを回すだけで「今の加熱方法のまま、あと○分延長」という操作ができたのに、今機種ではその機能がなくなりました。

ちなみに、加熱中であれば、ダイヤルを回すだけで加熱時間の追加ができます。しかし!いったん加熱が終了した後、扉を開けて確認してから「もう少し……」と思うことは多々あるはず。加熱終了後の追加加熱の操作については、ぜひ「延長」ボタンを復活させて下さい!


あたため機能は安定&確実

あたためボタンを押すごとに「スピード」「ソフト」「スチーム」と3種類のモードが順送りで選べる

あたためボタンを押すごとに「スピード」「ソフト」「スチーム」と3種類のモードが順送りで選べる

最後になりますが、基本のレンジ機能についてもご報告。食品をあたためたい時は、「あたため」ボタンを押すだけでOK。さらに、あたためボタンを押すごとに「スピード」「ソフト」「スチーム」と3種類のモードが順送りで選べます。

急いで温めたい時は高出力の「スピード」、トロみのあるカレーや、はじけやすいお惣菜などは出力を調整しながらあたためる「ソフト」、しっとりあたためたい時は「スチーム」と使い分けられるのは便利です。

また、日常的に良く利用する「のみもの」「生解凍」などが別ボタンで設定されているのも使いやすいと感じました。

あたための仕上がり自体は、非常に安定していて正確です。少々時間はかかりますが、スチームを使う「全解凍」などは、カチカチに凍っていたひき肉も、買ってきた時のように満遍なく解凍できますし、コロッケなども揚げたてのようにカラッと仕上がります。

あたため機能は、一番良く利用する機能と言っても過言はありません。これらが安定しているということは、日々の生活で使いやすいと感じる大きな要素となるでしょう。そういう意味では、とても優等生と言えるでしょう。

ガイドが気になるあたため機能の使い勝手

レンジ機能は、温度が初期設定されています

レンジ機能は、温度が初期設定されています

しかし、細かい部分でいくつか気になる点があります。例えば、「あたため」を押すと【80℃】、「ソフト」は【75℃】、「のみもの」は【65℃】など、いずれも仕上がり温度の初期設定がされています。そして、これより熱くしたい、またはぬるくしたいと感じた時「強1・2・3」と「弱1・2・3」の前後3段階で変更をします。

 

温度の調整は「弱2」など、強弱6段階で選択可能。しかし、抽象的なためどれくらい温度が下がるのかつかみにくい

温度の調整は「弱2」など、強弱6段階で選択可能。しかし、抽象的なためどれくらい温度が下がるのかつかみにくい

「強・弱」は感覚的には分かり易いのですが、1段階で仕上がり温度が何℃違うのか分からないため、何回か試してみなくては好みのレベルが分かりません。抽象的な表示より、初期設定の仕上がり温度を基準に、ダイヤルで温度が簡単に変更できる方が良いと感じました。

 

ちなみに、前機種ではレンジ加熱中に、中の食材の温度が目安として表示されていたのですが、今機種では、その温度表示がなくなっていました。あたため中でも、食材の状態を知るヒントになっていたので、少し残念です。

また、スタートボタンを押さないと、この強弱の変更はできません。が、レンジがスタートしてからアレコレ選ぶのは、どうしても焦る気持ちになり落ち着きません。スタートボタンを押す前に、温度設定はしたいと思う人が多いのではないでしょうか。

まとめ~基本性能は安定しているが、さらなる利便性の向上に期待

今回は、チカラを入れたと言うオーブン機能をメインに試してみました。印象としては、焼き加減が不足しているということではありませんが、表面の焦げ色のつき具合が控えめだと感じました。焼き過ぎると、それを元に戻すことはできないので、最初の仕上がりが控えめなのは良いのですが、追加加熱がやや面倒なのがネック。

一方、今回の目玉でもあるドーム型の庫内は、ヒーターの熱を庫内に満遍なく熱を行きわたらせていると実感。オーブン料理をこれから始めてみたい人に、使いやすい一台と言えるでしょう。

以上のように、基本性能は安定しているのに対し、オーブンの追加加熱・あたための温度設定など、使い勝手の部分で少し機能が削除されていたのが残念。操作性は慣れてしまえば何とかなりますが、やはり少しでも自然な動きで使いたいものです。より利便性の向上を期待します!

石窯オーブン ER-GD500


【関連サイト】
東芝 オーブンレンジ
 

※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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