ロータス・エリーゼに加わった111Rは、何と言ってもトヨタ製エンジンを搭載したことがトピックだ。既に日本でも販売が開始されたが、これを1月末に南仏・ニースで試したので報告しておきたい。
ドライバーズシートの背後に搭載されるのは、セリカと同じ2ZZ-GE型1.8L直列4気筒DOHC。VVTL-i(可変バルブタイミング&リフト機構)を持つもので、中身には一切手が入れられていない。組み合わせられる6速MTもやはりセリカ用のC64と呼ばれるもの。こちらもギア比を変えることなくそのまま使う。
しかしロータス・オリジナルとなるエンジンマネージメントシステム「T4」によって、特性はエリーゼにマッチするように仕立てられている。スペックもセリカ用からわずかに数値アップした192ps/18.5kgmを達成しているのがポイントだ。
このエンジンを搭載するために、ロータスはエリーゼのリアセクション、つまりアルミバスタブ型モノコックに接続されるリアのサブフレームの形状変更をしている。
同時に111Rでは、エリーゼとして初めてABSを備えたこともトピックだ。TRW製となるこれは4チャンネル式。さらに独自のDRP(ダイナミック・リア・プロポーション)と呼ばれるシステムが付加されており、スポーツドライビング時には、緊急の場合を除いてリアに余計なブレーキ配分を行わない。つまり積極的に攻めていける仕様。ちなみにABSの装着と同時にブレーキにはサーボアシストが付いたので、タッチやコントロール性もより一般的な、扱いやすいものとなったことも重要なポイントといえる。