この辺りを考えるとやはりBMWの味付けは巧みだ。RX-8やレガシィ、アコードからすると、非常にまったりとした動きなのだが、そういう動きをすることで返ってドライバーに忙しい操作をさせない感がある。このときの4台の中では成り立ちからすればレガシィはBMWに最も近いわけで、それを考えるとパフォーマンスを高くするのも良いが、それに見合うだけのゆとりを感じさせるシャシーを築くか、もしくはもう少しパフォーマンスを落として、その分をシャシーにおけるゆとりに変換した方が良いように思えた。
ただし2.0Rではそれが上手く表現されている。同じ日ではないが、やはりこのクルマを筑波サーキットに持ち込んでテストしてみると、先述したような狙いが図らずも達成されているのである。
2.0RはNAエンジンだけに、タイム的には1分14秒台と速さはないが、パフォーマンスが落ちている分、それを受け止めてゆとりを感じさせるシャシーだと思える味付けに変換されているのだ。しかもこの2.0Rくらいのパフォーマンスになると、操作的にもゆとりが生まれ、クルマの動きを感じながら一体となって操っている感が生まれてくる。だから2,0GTスペックBにあったような格闘する感は消え、クルマと対話しているような感じが姿を現すのである。
また17インチタイヤを装着するターボモデルである2.0GTも以前に筑波サーキットで走らせたが、これもタイヤのパフォーマンスが影響してか、スペックBほど格闘する感はなかった。またターボのパフォーマンスを活かしながら、クルマとの対和感もあるという意味では、クローズドコースでなら2.0GTの方が楽しめるともいえる。
こうして筑波サーキットでは最速ではあったものの、その場所における動的な質感という部分では、他に一歩譲った形となった2.0GTスペックBだが、果たして高速道路や街中、ワインディングなどの一般道においては、それが顕著になっていったのだった。
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