SUBARU(スバル)/レガシィ

サーキットを走らせて分かったレガシィの方向性 改めて体感したレガシィの実力2(4ページ目)

レガシィを国内外のライバルと共にサーキット試乗で比較してみた。その結果見えてきたのは、新型レガシィの走りの方向性と、シャシー性能の高さだ。

執筆者:河口 まなぶ

ただしレガシィが優れているのは、水平対向エンジンを搭載するゆえの重心の低さによる回頭性のスッキリ感と、4WDのマネージメントとサスペンションのセッティングによって生まれる割にFR的な旋回性を持っていることで、これはアコード・ユーロRと比べると大分爽快な感触として感じられる。アコードは唯一の横置きFFであるため、重心の高さなどが災いし、4台の中では最も回頭性のスッキリ感が薄いクルマだと感じられるほどだ。ただ、ブレーキに関してアコードのそれはRX-8などと同等くらいの耐久性を持っている。一方レガシィでは3周アタックすると、ペダルの踏み応えが変化し初期の制動感が落ちるため、制動距離も伸びてしまう。

こうした感じなので、RX-8と330iMスポーツは、クローズドコースでは実に気持ちよく走らせることができる。アコードは前述した特性を持っているため、コーナーでは大分手前から減速を行い、旋回中はひたすら我慢を強いられることを念頭において走らせる必要があった。ただそれでも、タイト名コーナー以外では実に巧みなボディコントロールによって確かさを味わいながら走らせることができたし、エンジンやシフトの気持ちよさはRX-8などと同等のものとして、堪能できるレベルにあった。

それらに比べレガシィB4・2.0GTスペックBは、大分スパルタンな印象を与える。というのも最も高い数値を発生するエンジンによって、他よりも圧倒的な速さが実現されているだけに、生み出される力は大きく、それを先述した特性を持って御していくからである。コーナー進入までの速度は当然どのクルマよりも高いものとなるため、ブレーキに対しても要求は高くなるし、操舵に関しても時間軸が他とは違ってくる。またそういう状況になってくると、クルマ側が行うボディのコントロールも忙しく、どっしりと構える余裕がなくなってくるので、それがドライバーにも伝わってきて、挙動もこちらで気を配って制御する必要があるように感じるのである。

またRX-8や330iMスポーツなどに比べると圧倒的なパフォーマンスを発揮していることや、どうしても滑らかさでは及ばないところがあるため、余計にクルマと格闘している感が強く感じられてしまう。つまり、速さはあるがそれ相応のドライビングも求められると言った感じなのだ。

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