まずクローズドコースである筑波サーキットにおいてだが、レガシィB4・2.0GTスペックBは、タイム的には最速だった。280ps/35.0kgmという数値が4台中最高ということもあって、当然の結果だったといえる。しかし筑波サーキットでは単純にタイムだけを指標としているわけではない。1分何秒で走るかという部分も確かにひとつの指標であるが、それよりも大切なのは「どんな走りでそのタイムを生み出しているか?」ということである。
ちなみにタイムを挙げておくと、レガシィB4・2.0GTスペックBは1分9秒4、RX-8は1分10秒3、アコード・ユーロRは1分12秒前半、BMW330iMスポーツが1分12秒半といったところだった。
さて、タイム的には最も速いレガシィだが、どんな走りでそれを生み出しているのか? これは一言で、ドライバーとクルマの「格闘」から生み出されているといえる。
クルマの前後重量バランスで言うと、優れている順番にならべれば、RX-8、330iMスポーツとなりレガシィとアコードはほぼ同じくらいに位置している。ここからして既に、限界域で走るクローズドコースでは、素性が前面に出てきてしまう。限界域で走らせると、クルマのあらゆる部分にバランスよく力がかかって走っている感じを受けるのは、やはりRX-8、330iMスポーツ、レガシィ、アコードというような順番だ。
特にRX-8と330iMスポーツは、前後重量配分が50:50に極めて近く、重量物のほとんどが車両中心に集まっているために、コーナリングの一連の動きにおいてかなり洗練された運動を感じさせてくれる。ブレーキなどに関しても、やはり負担が少ないようで数周のうちにフェードするような兆候も見られなかった。
前後重量配分で言うと、フロントが重くなるレガシィとアコードは、コーナリング時に感じるバランスの良さでは、RX-8や330iMスポーツにはかなわない。コーナーの進入におけるブレーキングから転舵までの間に、どうしてもフロントの重さを感じることになる。またフロントが重くリアが軽いというバランスを持つゆえに、コーナー進入におけるブレーキングも、RX-8比ではもちろん330iMスポーツに比べても、早めに操作を行う感じが強くなってくる。
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