SUBARU(スバル)/レガシィ

サーキットを走らせて分かったレガシィの方向性 改めて体感したレガシィの実力2(2ページ目)

レガシィを国内外のライバルと共にサーキット試乗で比較してみた。その結果見えてきたのは、新型レガシィの走りの方向性と、シャシー性能の高さだ。

執筆者:河口 まなぶ


対してターボ車は、前述したように同じ17インチタイヤを装着していても、乗り心地に粗さを感じてしまう。ビルシュタイン製のダンパーはクローズドコースで車両に大きな負荷がかかる状態ではしなやかさを発揮するものの、街中など負荷が小さな状態では微入力をいなしきっている感じが薄い。さらにダンパーの作動に関しても2.0Rのそれに比べるとフリクションが感じられ、過渡特性において滑らかさを削ぐ要因にもなっている。

それだけにこのサスペンションに、さらに18インチタイヤを組み合わせてしまうとより乗り心地は悪化し、ハードな印象が全面的に出てしまう。これはもちろん18インチ化によるバネ下重量の増加などが要因だろうが、それにしても乗り心地は悪い。例えば最近登場したマツダのRX-8も同じ18インチサイズのタイヤを装着しているが、乗り心地的には2.0Rと同等といえるだけの優れたものを実現している。そう考えると、レガシィでは18インチタイヤをうまく履きこなせていない印象が残る。

そしてこのような印象を総合的に判断すると、現時点では2.0Rの走りが最も優れたものといえるのである。

レガシィは単体で試乗すると、非常に高い評価を与えることができるわけだが、果たしてライバル比ではどうだろうか? 18インチタイヤに対する記述の中でマツダRX-8の名を挙げたが、実はレガシィの購入を検討している人の中には、意外にRX-8を競合させている人が多いのだという。カテゴリーとしては異なるが、価格帯やモデルとしての新しさ、注目度などを考えるとなるほど納得できる競合ともいえる。

先日、ある雑誌の企画でレガシィB4の2.0GTスペックBを筆頭に、RX-8タイプS、ホンダ・アコード・ユーロR、BMW330iMスポーツの4台を、筑波サーキット、高速道路、ワインディング、街中など全てのシチュエーションで合計1000kmほど乗り比べしたが、ライバルと比較することで、レガシィが今立っている位置を割と正確に把握することができた。

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