
実際に乗ってみると、洗練度が非常に高いと感じる人が多いはずだ。それにスポーツドライビングをすれば、このハンドリングがまさにFRのお手本といえるものだと分かるだろう。操舵すると、回頭感が非常に素直で、まさに思うがままにノーズがインを向く。その後自然なロールが始まり、最後にリアでしっかりと粘ってくれる。基本の動きはこんな感じで、常に安定性の高さを感じさせる。
そしてそこからさらに一歩詰めた状態で運転してみると、高い安定感をキープしたまま、分かりやすく操りやすいスライドが始まる。
例えばコーナー進入時に、ブレーキを残しながら操舵していくと、教科書そのものといった感じで、リアがスライドを始める。
リアが踏ん張り切ったあと、その感触の延長線上にスライドがあり、その領域へと実に滑らかに移行していくのである。スライドはキチンとした摩擦感を常に伝えるものだから、ドライバーは慌てることなく操作を与えいくことができる。修正舵に対する収束も実に分かりやすく、後は姿勢を真っ直ぐにしてスロットルを踏みつけるだけ。スライドしている最中の感触は、ロードスターやRX-7と似たところがあるのもいいところ。現マツダのFRユーザーにはお馴染みの感触といえる。

乗り心地に関しては、全く問題なしといえる。スポーツカーであることを感じさせながらも、セダンのような穏やかな感触も忘れていない。さらにリアシートも全然ツラくない。これは三次のテストコースで後席に乗って実際に感じたことでもある。
後席視界という意味では、リアウインドーの面積から推して知るべしであり、その車高を考えシートの高さを考えれば、開けたものは望めないことが分かる。が、座席スペース自体は身長180cmでもしっかり座れるくらい。それにこの視界の狭さが、何となく体内感覚というか、子供の時の基地感覚というか、そういう嫌じゃない雰囲気なのである。
こうして乗り心地も良いことで、RX-8の生み出す走りの世界というのは、非常に爽快な感触の高いものとなっているのである。
<前編はコチラから>