NISSAN(日産)/日産の車種情報・試乗レビュー

8速制御のエクストロイドCVTはスポーティか? スカイラインGT-8の走り(3ページ目)

スカイラインに追加された3.5リッタエンジンを搭載し、8速制御のエクストロイドCVTを採用したモデル、350GT-8に試乗した。スカイラインの持つスポーツ性能を、さらに高めることができたのか?

執筆者:河口 まなぶ


R32から始まりR34までで構築された、懐かしく男臭い味付けからすれば、それでもまだ無臭に近いと感じる人もいるだろうが、GT-8は確かに、ほんのりとした「香り」が新たに感じられるものになっていることに間違いはない。

それだけに汗を流しつつ格闘した記憶のある20世紀のスカイラインたちと比べると、刺激は確実に少ない方だといえるだろう。しかし、単純に刺激の有無をしてスポーツとするのではなく、常に漂う確かさの上であらゆる動きを把握するという、気持ちよさにつながる世界がそこには感じられたのだ。

不可能ではあるが、もし目に見えるものや先入観を全て廃し、走りの味わいだけで比べたとき、例えばBMWとの間に、それほど大きな差は生まれないだろう。むしろ「走り味」の好みでいえばこのGT-8を選択する人は意外に多いかもしれない。

ただ実際には、目に見えるものや先入観を全て廃することができないからこそ、「ブランド」というものの持つ意味は大きいような気もする。しかし、それを一番良く分かっているからこそ、あえて宮内氏は「ブランド性」と謳ったのだともいえる。なぜなら「価格が違いますから」と、最初からさじを投げるようなエンジニアは、作り上げるクルマに言葉ではないエモーショナルを込めることは決してできないからだ。
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