VW(フォルクスワーゲン)/ゴルフ

フォルクスワーゲン ゴルフ・プラス

ゴルフがちょっと大きくなったからゴルフ プラス? ちょっとの差はどこまでクルマを変えたのか?

執筆者:岩貞 るみこ


ゴルフプラスは、とにかく広い!広いのだ!

ゴルフ・プラス。その名前からして、なにか加わったんだな、というのは容易に想像できる。しかも名前の単純さからしてそれは、エンジンやボディといった内面的なものではなく、クルマに詳しくない人たちにこそわかりやすい、外側に関することであろうということも簡単に察しがつく。

ゆえに私はその名前を聞いてからずーっと、全長が長くなったのだと信じていた。というのも、メーカーから送られてきたニューズリリースを読む前に、試乗会を行っているエリアに出くわしてしまい、目の前をぴゅんぴゅんと駆け抜ける、ゴルフよりもちょっと大きなクルマを見ていたからだ。いわゆる思い込みというヤツである。

ところが家に帰って改めてニューズリリースを読んであせった。びっくりしたを通り越して「あせった」。そこには「ゴルフと同じ全長、全幅とする一方で、前項をゴルフより85mm高めています」と書いてあったのだ。

えっ? さーっ。

血の気が引く思いだった。

だまされた。何にだまされたのだ? そりゃ、もちろん、デザインの作るマジックであろう。背が高くなったゴルフ・プラスは、大柄なボリューム感を微妙に曲線を描くルーフラインでもってして、おデブにみせず、あたかも全長が長くなったように思わせたのである。やられた。

ちなみにデザイン的にはヘッドライトも切れ長のシャープ目になり、リアのテールライトにも消費電力の少ないLEDをフォルクスワーゲンとして初採用ということである。

屋根が高くなっただけ、というゴルフ・プラスだが、運転席に座ると、やっぱり本当にそれだけか? という疑惑の念が沸かずにいられない。広いのだ。とにかく広い。前後はともかく左右も広く感じる。天井が高くなるというのは、こんなにも印象が違うものなのだろうか。天井が高くなったのに合わせて運転席の着座位置も75mm、リアシートも85mm、それぞれ高くなっているため、運転中の景色がまったく違って見える。見晴らしのよさも広さ感を深める要因だろう。

ゴルフ・プラスのお得意なところは、この広さ。感覚だけでなく、荷物スペースを中心にその広さは実感できる。リアシートは前後に160mmスライドし、シート自体は3分割して折り畳みが可能。つまり、ゴルフじゃちょっと足りないな、という荷物満載ユーザーに使いやすい設計になっている。

日本ではミニバン志向が強いけれど、ミニバンからワゴンでは着座位置が急に低くなり違和感を覚える人も、これならスムーズに移行できる気がする。欲張って3列目のシートなどつけないでいてくれたのは、逆にありがたい。3列欲しい人は、ぜひ、ゴルフ・トゥーランに行っていただきたい。シートアレンジしにくくて面倒くさいけれど。

レーザー溶接なるボディの張り合わせでエンジン音は車内に入り込みにくく、オマケにこのクラスでありながら6速ATという豪華設定。何気に上質を味わえるのがこのクルマの魅力だろう。


フォルクスワーゲンのホームページはこちらから。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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