前席に3人が心地よく座れるようにと、インパネもしっかりストレートに作られている。これなら中央席に座らされても圧迫感がなく「前面衝突したら自分が一番生存空間がないな」という恐怖感を抱くことなく乗っていられる。それでなくても真ん中の席というものは、どうも居心地も落ち着きもなく感じられるので、こうした徹底的なストレート・インテリアはありがたい。
インパネだけでなく、当然、足もとも広々している。中央席の人の足が長くても問題はないだろう。ついでに左右への移動もしやすいので、すりすりと横に移動して反対側のドアからの乗り降りもしやすい。
日本のミニバンとして条件を満たしていないとすれば、それはウォークスルーだろう。ミニバン=ウォークスルー。ゴルフのトゥーランもスバルのトラヴィックも、これがないゆえに悪戦苦闘状態である。律儀で真面目なドイツ技術者にしてみれば(トラヴィックはもともとオペル・ザフィーラのスバル版)、「なんでクルマの中で動かなくちゃいけないんだ」となるんだろうが、日本ミニバンファンは「なんで移動しちゃいけないんだ」と大声で反論する人たちである。ウォークスルーは必要なのだ。
さりとてエディックスの場合は、前3人乗りである。小さい子供は両親のあいだに座らせられるので、後ろの席までウォークする必要がない。チャイルドシートだって、ご覧のとおりしっかり装着できるからこれならベビーも安心。しかも前が見られるからすっごいクルマ好きの子供に育ったりして。
前席3人、ちょっと異次元ワールドなのだが、乗ってみる価値は十分ありとみた。
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