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新型ステップワゴンの弱点とは

好調なスタートを切った4代目、新型ステップワゴン/ステップワゴン スパーダ。広さとサードシートの格納性、燃費への期待などが好調のようだが、肝心の走りはどうだろうか?

塚田 勝弘

執筆者:塚田 勝弘

車ガイド

低速走行時に難あり!?

フロントビュー
発売1か月で約1万8000台と好調なスタートを切った4代目ステップワゴン/ステップワゴン スパーダ。全長4690×全幅1695×全高1815mm。価格は208万8000円~359万8000円
ステップワゴンは、先代もスタートダッシュは良かったため、モデルライフを通して売れることが課題だろうが、広さやユーティリティ、燃費のよさを考えると杞憂に終わるかも知れない。ちなみに売れ筋はG・Lパッケージが26%、Lが15%。スパーダはZが35%、Sが19%。

14.2km/Lというクラストップの燃費を実現した新型ステップワゴン。ユーティリティの完成度はかなり高いが、クルマは家ではないから、走りも大切だ。実際のところはどうだろうか? 走り出しから感じるのが、またあの悪癖。アクセルを踏むと期待以上の飛び出し感があること。過敏すぎてギクシャクすることはないが、走りのよさをアピールするためだろう。日本のユーザーは出だしのよさを重視するから、見かけの加速感を重視したのは分かるが、少々安っぽく感じてしまう。キチンとアクセルと踏めるドライバーにとっては逆に扱いにくい。さらに、20~40kmという住宅街や渋滞の高速道路などで多用する速度域での遮音性も今イチだ。タイヤが原因と思われるこもり音が不快。ラジオや音楽を流していれば、そう気にならないものの、いったん気になると頭から離れない厄介な周波数に感じる。

なお、乗り心地や振動面にはとくに不満はなかった。上質とまではいえないが、クラストップレベルにあるだろう。

パワーは十分

セカンドシート
セカンドシートは天地方向が短め。座面と背もたれの厚みは頑張っているが……。スライド位置を一番後にするとサードシートには、171cmのレポーターで膝前が少し触れる程度の余裕が残る。2-3列目間のウォークスルーを重視する向きには6:4分割チップアップ&スライドシートも用意する
燃費向上のためバランサーシャフトを配した2.0LのSOHC。150ps/19.7kg-mはセレナよりはもちろん断然走るし、ノア/ヴォクシーと遜色はない。レスポンスのいいCVTの完成度も平均点を十分にクリアしている。

インサイトなどと同様に「ECON」ボタンをインパネに用意する4代目だが、オンでは出力が抑えられるのがよく分かる。合流区間の短い都市高速などではパワー不足で合流がもどかしいシーンもあった。ただし、シーンに応じてオン・オフを使い分ければ、実際の使い勝手に影響は与えないし、先述した発進時の飛び出し感もECONモードをオンにすると影を潜める。ECONモード・オンで走りのセッティングしたのかと思ったが、その割には少し遅いのだ。

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