VW(フォルクスワーゲン)/ティグアン

俊足SUV、ティグアン・スポーツ&スタイル(2ページ目)

ゴルフGTIと同じ200馬力を誇るティグアン・スポーツ&スタイルが導入された。より都会的なスタイルも魅力で、速さとスタイル、長く乗れるミドルクラスのSUVとしては最右翼にあげたいモデルだ。

塚田 勝弘

執筆者:塚田 勝弘

車ガイド

低速から力強い

後席
後席はスライド、リクライニングともに可能。171cmのレポーターでドラポジを取り、後席を一番後にスライドさせると膝前にはコブシが2つ半、頭上にはコブシ1つと手のひら1枚程度の空間が残る
「トラック&フィールド」は、170ps/28.6kg-mのスペックで、動力性能的にとくに不満はない。若干低速トルクが細く、ターボラグも皆無とはいえないのが、意識すれば気になる程度のウィークポイントという程度だ。一方の「スポーツ&スタイル」は、200ps/28.6kg-mと最高出力のみ30ps上回る。そのため、低速からの発進性や街中でのストップ&ゴーが続くシーンでは、パワー的に明確なアドバンテージは感じられない。しかし、高速道路や郊外路、ワインディングに場所を移すと速さの質が一段上手なのは明らかで、ターボらしい力強い加速をより深く味わえる。さらに、ハンドリングもより軽快で、バネ下の重さを感じさせない。乗り心地は少々硬めだが、スポーツカーのようにボディを振り回すことも可能だ。

トランスミッションは自慢のDSGではなく、ティプトロ付きの6速ATだが、トルコンATとしては十分にスムーズだし、SUVというキャラにはDSGよりもATのほうが似合うと思わせる。しかし、この速さを体感してしまうと、瞬時にギヤチェンジを完了するDSGでもいいかも、と思うのも事実だが。

遊び心も欲しい

インパネ
クルーズコントロールが備わる「スポーツ&スタイル」は、高速移動が多い人に最適なグレードといえる。高い直進性を活かして、安楽な高速移動もこなせてしまう。高速道路1000円乗り放題時代にマッチしている
ティグアンはゴルフ、あるいはゴルフ・プラス版のSUVといえるが、「エレクトロニックパーキングブレーキ」など、パサート並の充実装備も用意していて、その立ち位置は結構微妙だ。最新ゴルフのような隙の全くない質感まではいかなくても、室内の作りはまさにフォルクスワーゲンそのもので、作り込みに隙は感じられない。大人4、5人が過不足なく移動でき、荷物も十分に積めて、飽きずに長い間付き合えるはずだ。だが、SUVとしてはもう少し個性も欲しい気がする。確かにコンサバであり、奇をてらわないクルマ作りが、VWなのだが。

しかし、ティグアンの隙のない「スタンダードなキャラクター」、つまりゴルフと同じ香りをさせるキャラ作りからは、VWのブレのない姿勢や哲学を感じさせる。普段使いなら不足のない4WDであり、しかも速くて信頼できるSUVを探しているならティグアン「スポーツ&スタイル」は見逃せない存在といえるだろう。

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