輸入車/注目の輸入車試乗レポート

強烈な個性で選びたい3台のSUV(2ページ目)

街乗り重視の高級系がトレンドであるが、「乗用車の新しい形」という魅力は認めつつも、SUVが本来もつタフさや走破性や積載性という「趣味の相棒」としての資質も見直したい。そんな魅力に満ちた3台をご紹介。

塚田 勝弘

執筆者:塚田 勝弘

車ガイド

100台限定の本革シート車

フロントマスク
エンジンは4.0L、SOHCのV6で5ATとの組み合わせ。全長4930×全幅1870×全高1835mm。パジェロ・ロングに近い巨体。価格は445万円
パジェロではなく、トライトンとくれば、エクスプローラーではなくスポーツ・トラックを推すべきだろうが、今回は特別仕様車ではあるが「普通の」エクスプローラーを取り上げたい。3列SUVという点ではパジェロのロングボディも同じだが、エクスプローラーの魅力は、「狭くない」3列シートである点、どの席に座ってもゆったりした乗り心地に包まれるという2点に凝縮されると思う。

細部の作り込みやオンロードでのハンドリングなどは、ドイツ勢高級SUVがもつ精緻さや寄せ付けがたい完成度までは至っていない。だが、アメリカンらしい、息を抜ける雰囲気がインパネやサスペンションの豊かなストロークあたりから醸し出されている。そのため、巨体を運転しているというプレッシャーは見た目の大きさほどは受けない。趣味の相棒こそリラックスして乗りたいもの。

さらに、エクスプローラーのよさは、3列目でもゆったりした車内と述べたが、大きめのギアを積み込むのも苦労はしない。フロア高はそれなりにあるから乗せる際に高く持ち上げる必要はあるが、これから遊びに行くというどこでもドアの入口だと思えばいい。

2月中旬にリリースされたXLT-EXCLUSIVEは、100台限定で所有する喜びを高めてくれる本革シートや高級車にふさわしい1列目のシートヒーターなどを装備している。ボディカラーはブラックとホワイトスェードの2つで、前者を選べば高級ホテルに横付けしても泥臭さを感じさせないフォーマルさも併せ持っている。

ジープらしいジープ

フロントマスク
ジープ・ラングラーアンリミテッドは、スポーツが388万5000円、サハラが452万5500円。全長4705×全幅1880×全高1845mm。3.8LのV6・OHVを積み、199ps/32.1kg-mを絞り出す
ジープに抱く一般的なイメージに現行ラインアップで最も近いのが、ラングラー・アンリミテッドではないだろうか。ラングラーはジープ5兄弟の下から2番目だが、ソフトトップであれ、ハードトップであれ、大きなカーゴルームがもたらすスタイリングは強烈なオンリーワンブリーぶりを放つ。スタイルだけでも趣味の相棒としてふさわしい気にさせてくれるが、後席を折りたたむとより広い空間が生まれるなど実用性も当然秀でたものがある。

4ドアのアンリミテッドは、見た目は大きく感じるが、実際のサイズはエクスプローラーよりも短い全長とジープらしいボクシーなフォルム、お家芸のサイドビューカメラなどを装着していることもあり、思いのほか運転しやすい。

根強いファンをもつラングラーだけに、2009年モデルは08年の11月と比較的早い段階でリリースされた。最近のクライスラー・ブランド全般にいえることだが、車内の小物入れを充実させるなど、大味ではない目配りもされている。

オーナーの道具として使い倒したいラングラーではあるが、ヘタな高級SUVよりも乗り手の生き様とかポリシーを選ぶ上級者向けではある。それだけ挑戦しがいのある希有な一台といえるだろう。

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