分厚いトルク
2000ccのディーゼルエンジンは、ルノーとの共同開発の「M9R」で、6MTのみの設定。今後AT追加の可能性もあるようだ。173ps/3750rpm、36.7kg-m/2000rpmというスペック。分厚いトルクを2000rpmという常用域で稼ぎ出す |
走行時の音・振動
マフラーからは水蒸気以外感じられない。ガソリン車よりもニオイも「無臭に近い」感じを受けた |
しかし音振動対策により、もし重量増や価格転嫁されているなら、少々残念のような気もする。重量増は燃費悪化につながるし、価格転嫁はクリーンディーゼル普及の足かせになりかねないからだ。
エクストレイル・ディーゼルに戻ると、JC08モードで14.2km/L、10・15モードで15.2km/Lというのはまずまず立派だろう。同じ4WDの2.0Lガソリンの「20S」が13.6km/L、「20X」が13.2km/Lを考えるとである。価格は約300万円。比較は難しいが、60万円前後の価格差がある。年1万kmペースで走ると「元が取れる」という日産とは試算だが、ガソリンと軽油の価格差が20円以上になれば、食指を動かしたくなるユーザーも多いに違いない。
しかし、「GT」という高級グレードではなく、もっと安価なグレードでATがあるならと望むのは私だけではないはずだ。そうすると、ガソリン車が売れなくなるというジレンマがあるようだが。
買いか否かといえば、MTが苦にならない、年の走行距離が多く、長年乗っていきたいというなら断然買いだ。音振動対策で、ガソリンよりも乗り心地までも良くなったような感じさえ抱かせたし。新しいパジェロのクリーンディーゼルは、現行規制をクリアするだけと考えると、「今のところ」はまだ先頭を単独で走るトップランナーである。
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