2.3Sは十分パワフル
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主力の2.0Lは11.2という高めの圧縮で燃費と厚みのあるトルクを両立。2.3Lは確かにパワフルだが、いまやハイオクを指定するのは痛い |
さて、23Sの乗り味だが、乗り心地はセレナよりもやや硬めの印象で、ステップワゴン・スパーダに似た印象だ。エンジン音はそれなりに高まるが、車内の会話が途切れるほどではもちろんなく、100km/h程度の巡航ならエンジン回転数は2250rpmくらいで、1-3列目間の会話も少し声を上げれば可能。パワー、トルクとも十分で、高速道路への合流もスムーズにできるから、初めてのミニバンとして不安のある向きにも安心だろう。こうなると欲しくなるのが、クルーズコントロール。直進安定性も高く、重心の低さを味わえるフットワークだけに、ロングランにも向く23Sだと思うが、設定すらないのは残念だ。最上位の23Sのみでも用意して欲しい。
フル乗車で不安な2.0L
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左右跳ね上げ式を採用せず、チップアップを採った狙いは毎日の使いやすさを狙ってのこと。荷室長を稼ぐよりも、買い物後に簡単にたためる機構を採用したわけだ。その分3列目のシートサイズは小さめ |
2.0Lは205/60R16とタイヤサイズも2.3Lの215/50R17よりも小さいこともあり、車重に大差はないが軽快な印象だ。4人くらいまでなら普通に流れに乗れるだろう。ただし、荷物が増えたりフル乗車になったりするとやや不安が残る。一定重量当たりの車両重量はライバルよりも低く抑えられているというものの、単純比較はできないが、結果的には大きなボディサイズのためステップワゴンより100kg前後、セレナよりも子ども1人程度重いのは事実。体感的には2.0Lと2.3Lの間くらいのトルク&パワーがベストだと思った。アテンザの2.5Lは間に合わなかったようだが、将来的には税金面がネックではあるがレギュラー仕様の2.5Lを積むという選択肢もあるだろうし、それだけの車格・広さは兼ね備えている。
売れ筋は20Sになるだろうが、20CSの219万9000円という値札も捨てがたい。3列目のシートサイズに不満は残るが、この価格でこの広さは買い得感高し!といえるだろう。MPVとプレマシーの間を埋める期待のビアンテは、日本市場ではマツダ・ミニバンの中で一番のベストセラーになり得る資質を備えている。
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