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新しいエスクードもマジメだった(2ページ目)

1988年に登場したエスクードは、弟分のジムニーに負けない卓越した4WD性能と都市でも映える外観で誕生。20年目のマイナーチェンジもまじめそのもの。新エンジンまで搭載する本気の改良だ。

塚田 勝弘

執筆者:塚田 勝弘

車ガイド

V6はパワフル!

エンジン
新しいV6エンジンは、従来の数字的にもパワー的にも中途半端な2.7Lから3.2Lに大幅にアップ。吸排気VVTシステムなどにより、224ps/6200rpm、29.0kg-m/3500rpmのスペックを実現している
今回の試乗会では3.2のV6がオンロードで、2.4Lはオフロードのみというコース設定だったので、気になる2.4Lのオンロードでの動力性能は試せなかった。

V6は排気量アップの恩恵が明らかで、急な登勾配が続く山道でもDレンジのまま余裕で走れてしまうほどトルクがあり、高速域での伸びも素晴らしい。パーシャル域からの加速もストレスとは無縁だ。エンジン音も抑えられているが、高回転を多用する山岳路では勇ましいエキゾーストを存分に奏でる。だが、不快さはない。もう少し高級感を抱かせてくれるエンジンであれば一級品の高級SUVといえるのだが。

マイナーチェンジ前の弱点であった、路面の凹凸を正直に拾う微細な振動、一定の周波数が車内に侵入してくるやや耳障りなノイズなど、NVH全般は大幅に改善されている。他の高級SUV、しかもオンロード重視のライバルと比べても勝るとも劣らない印象を受けた。オフロード性能を大切にするエスクードのキャラを考えると、ひたむきなまでのネガつぶしには敬意を払いたい。音や振動などトータルの乗り心地は、車格で1段も2段もアップしている。

ハンドリングのよさも健在

オフロード
オフロードで試したのは、約2秒間続くヒルホールドコントロールとヒルディセントコントロール。雪道でもミラーバーンでも安心して走行できる。日常シーンではなんら不足のないありがたい装備だ
乗り味が美味になったが、スズキが投入したスイフト以来のハンドリングのよさはまったく失われていない。その気になって飛ばしても高い安定感があるし、ロールは許すが、重いV6を積んでいるとは思えないほどコーナーを苦にしない。パワー的には十分以上で、試せていないが2.4Lでも実用上不足はないはずで、これなら街中から高速道路、山道、林道や雪道まで気持ちよく走れる。アウトドアライフの相棒がよりバージョンアップしたわけだ。

オフロードコースは、クルマのポテンシャルを持てあますほど、イージーなレイアウトだったので、新装備を試す場として用意されたのだろう。デフロック時にブレーキ操作をしなくても一定速度を試すヒルディセントコントロールと、上りの坂道発進の際に車体が最大2秒間下がらないヒルホールドコントロールだ。ともにAT車に設定されている。前者はトランスファーが4Hロックで10km/L、4Lロックで約5km/Lに保たれる。作動音や振動は装備の存在を感じさせるもので、平均的なレベルだ。しかしドライバーの安心感はこれで倍増といえる。

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