輸入車/注目の輸入車試乗レポート

先入観を超えた新生エスケープの実力(3ページ目)

フェイスリフト、ビッグマイナーチェンジを果たしたフォード・エスケープ。決して小さなサイズではないが取り回しがしやすく、荷室も広く効果的に使える。大きくなる一方のSUVにあって見逃せない実力派だ。

塚田 勝弘

執筆者:塚田 勝弘

車ガイド

実用的なエンジン

ラゲッジ
後席のバックレストをフラットに倒せるのが長所だろう。さすがにマツダのトリビュートの兄弟車であっただけあり、実用性は高い
1500kg台の重量とはいえ、157ps/6000rpm、20.4kg-m/4000rpmのスペックを見ると走りは期待できないかなと思いきや出だしは予想よりも鋭く、街中のストップ&ゴーはもちろん、100km/hから20~30%くらい増しであれば高速域でも息切れすることはない。アイドリングは少々ラフな感じで、高回転までスムーズに回るというよりも、トルクで押し上げて着実にパワーをつむぎだすタイプ。決してスポーティではないが、遅くはない。ATも4速までしかないが、変速ショックに気を使わされることもほとんどなかった。VVT機構や電子スロットルボディの採用が効いているのだろう。また、120km/hくらいまでなら、ロードや風切りノイズも抑えられている。

ボンネット先まで見えて、ハンドリングも軽やかなので街中ではスイスイと走れる。ただし、5.4mという最少回転半径はもう少し回らないかなという印象だ。さらに、軽快なハンドリングは高速になると直進性に不安が出てくる。ただし、日本の高速道路のアベレージなら追い越し車線をリードしても恐くない。

乗り心地はアメリカンというよりも、日本車とドイツ車の中間的な味付け。ダンロップのSUV用という装着タイヤを考えると良好といえるかもしれない。

侮れない実用SUV

ガラスハッチ
大きな荷物を出し入れするならリヤゲート、狭い場所での開閉で便利なのがガラスハッチ。熟成された実用性の高さが新型エスケープの魅力
ルーツを辿るとトリビュートの兄弟車であり、台湾製という先入観とマイナス面からの試乗だったが、予想に反しての実力派だった。価格もクラスもかなり違うが、個人的にはこのクラスのベストバイと思っているフリーランダー2に後席の居住性や荷室の実用性では迫っていると思う。

流行に流されず、自分らしいモノ選びをする向きに受ける資質を備えている。今回は前後輪の駆動力を50:50に固定できるAWDの本領は試せなかったが、シティときどきアウトドアユースという使い方にピタリとハマるSUVといえるだろう。

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