荷室の巧みな造形、装備はさすが
ラゲッジにはフロア左右に2本のアルミニウムレースが配置されており、アクセサリーのロードフックやバイシクルホルダーなどで好みに応じて使い勝手を高めることが可能 |
荷室は広大なだけでなく、ロードネットやフックなどのアクセサリーを追加することで、使いやすさがいっそう高まる。スペアタイヤが搭載されていないため、荷室のフロア下にも仕切られた隠れスペースがあり、ロックも可能。小物もスマートに積める。後席は「40:20:40」の分割可倒式で、助手席の背もたれを倒せばスキー板はもちろん、かなりの長尺物も収まるはず。テールゲートの開閉がワンタッチの自動になるパワーテールゲートも装備。荷室の使いやすさは長年ステーションワゴンを作ってきた老舗だけに、十分に練られている。
高音質のサウンドシステムが魅力
デンマークのDYNAUDIO社製プレミアム・スピーカーシステムによるオーディオの音質面、AUXやUSB、iPodといった高い接続性によって車載オーディオとしては最高の環境といえるだろう |
新しいXC70はライバルのA6オールロードクワトロの799万円よりも安価とはいえ、決して安くはないし、レガシィ・アウトバックの倍にもなる。ただし、お家芸である安全性への徹底したこだわりだけでなく、走りのクオリティが今まで以上に高まり、走行関係の装備もかなり充実している。より安価なグレードが欲しいのは正直な感想だが、コストパフォーマンスは決して悪くはない。
問題は、「クルマ好きをのぞいた人たち」の同社に対するブランドイメージにあるはず。装備や性能だけでなく、プラスアルファの魅力に惹かれるかにかかっているのだ。もっともインポーターは、「ボルボ信者にそこそこ売れれば」と考えているのかもしれないが。でも「輸入車=ベンツ・ビーエム」と思っている層にアピールできるだけの力は、十二分備わっているはずだ。
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