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ボルボXC70が拓く新境地(3ページ目)

ワゴンから派生したSUV「XC70」が、フルモデルチェンジ。価格は高めだが、ドイツ勢に負けない高いボディ剛性と上質な走りを身に付け、ボルボらしい上質な内外装を磨き上げている。

塚田 勝弘

執筆者:塚田 勝弘

車ガイド

荷室の巧みな造形、装備はさすが

ラゲッジ
ラゲッジにはフロア左右に2本のアルミニウムレースが配置されており、アクセサリーのロードフックやバイシクルホルダーなどで好みに応じて使い勝手を高めることが可能
大柄なボディのおかげで、車内はルーミーだ。シートも大きく、どの席に座っても快適でロングランでも疲れは少ない。

荷室は広大なだけでなく、ロードネットやフックなどのアクセサリーを追加することで、使いやすさがいっそう高まる。スペアタイヤが搭載されていないため、荷室のフロア下にも仕切られた隠れスペースがあり、ロックも可能。小物もスマートに積める。後席は「40:20:40」の分割可倒式で、助手席の背もたれを倒せばスキー板はもちろん、かなりの長尺物も収まるはず。テールゲートの開閉がワンタッチの自動になるパワーテールゲートも装備。荷室の使いやすさは長年ステーションワゴンを作ってきた老舗だけに、十分に練られている。

高音質のサウンドシステムが魅力

オーディオ
デンマークのDYNAUDIO社製プレミアム・スピーカーシステムによるオーディオの音質面、AUXやUSB、iPodといった高い接続性によって車載オーディオとしては最高の環境といえるだろう
XC70には、プレミアムサウンド・オーディオシステムとハイパフォーマンス・オーディオシステムが用意され、予算に応じて選択できる。上位の「プレミアム~」は650Wデジタルアンプ、DYNAUDIO社製12スピーカーが装備され、音質は高級SUVでもトップクラス。低音の迫力あるサウンドはもちろん、細かな音の再現性まで非常に高いレベルにある。さらに、アクセサリーでiPodの接続ケーブルが用意され、高音質のまま再生できるだけでなく、ボリュームや曲送りなどの操作もオーディオ側で可能になる。ただし、iPodの充電はされないため、ロングドライブでは別途充電器が必要になるだろう。

新しいXC70はライバルのA6オールロードクワトロの799万円よりも安価とはいえ、決して安くはないし、レガシィ・アウトバックの倍にもなる。ただし、お家芸である安全性への徹底したこだわりだけでなく、走りのクオリティが今まで以上に高まり、走行関係の装備もかなり充実している。より安価なグレードが欲しいのは正直な感想だが、コストパフォーマンスは決して悪くはない。

問題は、「クルマ好きをのぞいた人たち」の同社に対するブランドイメージにあるはず。装備や性能だけでなく、プラスアルファの魅力に惹かれるかにかかっているのだ。もっともインポーターは、「ボルボ信者にそこそこ売れれば」と考えているのかもしれないが。でも「輸入車=ベンツ・ビーエム」と思っている層にアピールできるだけの力は、十二分備わっているはずだ。

ボルボ「XC70」の公式ウェブサイトはこちら

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