荷室の存在をゲストに感じさせない
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トノボードでキャビンとラゲッジを区切り、上質なライフスタイルを送る、送りたい大人向けの空間にしたという。多彩なアレンジはないが、2列目席はダブルフォールディングでフラットになる |
3列目は完全な補助席レベルだ。170cmの私でもなんとか座れるが、10分くらいで勘弁というのがホンネ。小学生でも大きな子はキツイだろう。3列目への乗り込みに使うレバーは、2列目席の上部、肩の後方あたりにあるので操作性は良好だ。しかし、2列目に座ってリクライニングする際は、非常にアクロバチックな姿勢を強いられる。まるでドアの大きく、ピラーの遠いクーペでシートベルトするくらいに、レバーが遠い。これについては「乗る前にリクライニングしてください」とトヨタの担当者から説明を受けたが、これはハッキリいって失敗策。まず、座ってから好みの角度に調整する人が大半だろう。座り心地のよい2列目席に唯一、ケチをつけたくなった点である。
さて、なぜ3列目が必要だったのか? ターゲットである40代以降のポストファミリーは、ミニバンの広さや多人数乗車のよさを知り尽くしており、子供が親離れしようがセダンやコンパクトカーには戻りたくない。でも、もう大きなミニバンは必要ない。さてどうしようと悩む向きに提案する意図なのだ。普段は夫婦2人で、たまにはご自慢の後席に友人夫婦を招き、ドライブや食事にでもというシーンを想定している。
インパネは上質かつ個性的
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凝った「クリスタルシャインオプティトロンメーター」など、上質かつ個性的なデザインは好印象。エンジンがかかるとメーターだけでなく、エアコン類も指針を一振りさせてから戻る演出をしている |
マークXのように天井のイルミネーションや足元の間接風照明など上質な空間作りは、いかにもトヨタらしい。こうした同社の演出が好きなユーザーを十分に満足させる仕上がりといえるだろう。運転席で気になったのが、ハンドルの下側を握っていると、ステアリングを切った際に左肘が立派なアームレストにあたる点。アームレストは固定式なのでドラポジを少し変えるか、ハンドルの上を握ればいいのだが……。装備は充実している。それほどインパネのボタン類がゴチャゴチャしておらず、整理されているのも美点。カップホルダーや小物入れの類も、ボルボやアウディあたりの輸入車から乗り換えるとその豊富さに驚くはずだ。
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