TOYOTA(トヨタ)/トヨタの車種情報・試乗レビュー

「百読は一乗りに如かず!」な新型クラウン

13代目の新型クラウンのキャッチコピーは『「あ.うん」のテクノロジー』。革新的な新技術ばかりが話題となっているが、スペックでは分からないエモーショナルな部分の仕上がりはどうだろうか?

国沢 光宏

執筆者:国沢 光宏

車ガイド

普及グレードで十分

アスリート走り
13代目クラウンはおしなべて動力性能がアップ。3.5リッターと2.5リッターを用意するが、2.5リッターモデルでもなんら不満はない。写真はアスリート

クラウンというと「最上級グレードをフル装備で買う」みたいなイメージが強いんじゃなかろうか。確かに最上級グレードの販売比率は高い。しかし先代モデルあたりから2.5リッターエンジンを搭載する普及グレードの売れ行きも伸びている。果たして上級グレードを選ぶべきか?

まず絶対的な動力性能だけれど、結論から書けば2.5リッターエンジンで何ら不満のないレベル。カタログ上の数値こそ215馬力と決して高くないが、一昔前のエンジンと比べ常用回転域のトルクは圧倒的に太い。アクセル全開にした時の加速感も先々代モデルの3リッターエンジンに匹敵するほど。

アスリート・フロント
アスリート・リア
上級グレードには、さまざまな先進機能のオプションを用意しているが、まだ満足いくレベルではない。写真はアスリート。ロイヤルサルーンと比べると足回りを固めてある

上級グレードを選ばないと装着出来ない新技術はどうだろう。TVや新聞でも紹介された「居眠り感知装置」についていえば、やや誤解されているようだ。居眠りをしたら警告を与えてくれると思われているが、実際は「先行車に追突しそうな場合に居眠りを検知し警告する」というもの。「流れの良い高速道路で居眠りをした」などといった場合には機能しない。

ドライバーモニター
ステアリングコラムの上に設置されたカメラがドライバーの目の開き具合をチェックする
純正カーナビの地図情報と、バックアイカメラからの情報により一時停止の交差点の前で注意喚起をする機能も、現状では東京23区、横浜、名古屋、大阪といった大都市しか対象になっておらず効果は今一つ。「IPA」と呼ばれる自動バック装置は大幅に使い勝手が良くなっているけれど、未だ操作や信頼性という点で不満を残す。車線をキープする「LKA」の効き目もイマイチ。全般的にもう一歩進化しなければ実用段階にならないと思う。

上級グレードにしか装着できないオプションで唯一「こら凄い!」と思ったのは「トヨタプレミアムサウンドシステム」(富士通テン製)。シートにまで埋め込まれる18個のスピーカーときたら迫力満点! レクサスのマークレビンソンを相手にしない。8万9250円なら超バーゲンプライスだ。

スペックで推し量れない魅力は次ページ
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