輸入車/注目の輸入車試乗レポート

伝統を受け継ぐ新型ジープ・チェロキー(3ページ目)

軍用車として生まれた1941年の登場以来、「ヨンク」の代名詞的存在であり続けるジープ。中核モデルであるチェロキーが新型にスイッチした。現代アメリカンSUVは他にはない個性でファンを魅了する。

塚田 勝弘

執筆者:塚田 勝弘

車ガイド

驚きの充実装備

インテリア
インパネは兄弟車のナイトロ同様、直線基調のプレーンなデザイン。HDDナビはワンセグチューナーを内蔵し、iPod接続ケーブルまで用意する充実ぶり
広大なスカイスライダーやHDDナビを筆頭に、イルミネーテッドエントリーや遅延消灯室内灯など高級感を抱かせる装備が並ぶ。一昔前のジープのイメージとは異なり、これも付いてくるの!?という充実ぶりだ。

シートサイズは、前後席ともたっぷりしている。後席は足元もゆったりしているし、ジープの泣き所であったヘッドクリアランスもコブシで2つ以上と、先代よりもグッと広くなった印象だ。カーゴスペースでは、リバーシブルのカーペットが便利そう。フタの下には深さ約10mmの防水収納ボックスがあり、汚れた長靴や植木まで収納するのに重宝しそうだ。

さらに、ガラス部分だけ開閉可能なガラスハッチなど、使い勝手への配慮も随所に見られる。シート操作に少々力を要するが、後席だけでなく助手席の背もたれも倒せるので、マリン、ウインタースポーツの道具も難なく飲み込む。

ファンなら買い!

シート
後席は60:40の分割可倒式を採用。最近のSUVは乗降性にも配慮したモデルが多いから、比べると乗り込みにはやや苦労する。後席を立てた状態で419L、シートを倒せば最大で1404Lに拡大
充実装備はありがたいが、もう少し廉価なエントリーグレードも欲しくなる。下位モデルのジープ・パトリオットとの差別化を考えた戦略だという。iPhone同様、趣味性が高くなるほど、デビュー時は高いグレードから売れるのは定石ではあるが。エントリーグレードを望む声が高くなれば、将来的に廉価モデルの投入もあるはずだ。

日本製のSUVのように痒いところまで配慮した細々した装備や使い勝手には及ばず、ドイツ勢のようなスポーツカー顔負けのオンロードの走りもない。しかし、SUVとしては王道といえるオン・オフの実直でバランスのいい走りは、ジープ・ブランドならではの魅力だ。しかも、ジープにしかできないこのスタイリングもファンにはたまらない。好きなら買い!と言いたいが、頑張っているという燃費も10・15モードで7.1km/L。実用燃費は計測できていないが、5~6km/L台もありえるし、さらにはハイオク指定なので誰もが手を出せないご時世かも。


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