洗練された走り
搭載されるエンジンは、ダッジ・ナイトロと同じく3.7LのV6で、205ps/5200rpm、32.0kg-m/4000rpmというスペック。ハイオクガソリンを指定。今回、走行したのはオンロードとタフなオフロード |
決して軽くない車体をモサッという感じで加速させる。ダッシュは得意ではないが、巡航速度に乗ってしまえば何ら不足はない。身体が重いので、急な登り坂も決して得意ではないが、気がつくと結構なスピードに到達している。遅くはないのだ。ハンドリングは、BMWのX3やX5のような俊敏さとは逆の、ゆったり走るのに向く動き。しかし、クルマのキャラクターに合っていて好感を持てる。誰もがドイツ車になってしまってはつまらないのだ。
エンジン音やタイヤノイズなど騒音面も従来型よりもかなり頑張っている。乗り心地もシルクのような滑らかさではないが、オンロードの快適性は十分満足できる。ライバルのランドローバーのフリーランダー2やBMW・X3のような軽快感よりも、重厚感のある三菱パジェロに近い乗り味。まさかジープDNAがパジェロに息づいているワケではないだろうと思うが。
さすがのオフロード性能
象の足跡と呼ぶコブを難なく走破する。1速ローレンジだと1.5km/h、2速ローレンジで4.5km/hくらいになる。このコブはインストラクターのみの走行。片輪が完全に浮いても前に進む |
さらに、登り坂でも2、3秒停止状態になるヒルスタートアシストや超低速ギア比により可能になったヒルディセント・コントロールを装備。悪路でもドライバーはステアリング操作に専念でき、下りの急勾配でも不安になることはない。凍結した雪道などウインターシーズンのオンロードでもありがたい装備といえる。
用意されたオフロードコースは、徒歩では苦労するような最大で約38°にもなる急勾配、岩や泥、深い水たまりまで待ち受けるタフな悪路であったが、オールシーズンタイヤにもかかわらず、数回バックして再発進する程度で切り抜けてしまった。こうしたオフロードの補助装備はもちろん、四隅が見切りやすいボディ、サイドビューカメラの恩恵を実感した。
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