走りの進化に不満あり
|
後席の背もたれはゲート側から操作できるが、さらに床下にシートを格納する場合は横に回って、ドア側から行う |
使い勝手の面ではライバルより明確に後れを取っている印象はない。動き出すと不満になるのが、パレットで残念に感じられた点だ。それほどアクセルを踏み込まなくても盛大なエンジンノイズが車内に侵入してくる。ボディの剛性感では両側スライドドアのデメリットが感じられることはなかったが、50~60km/hくらいの速度域まで普通に加速してもややうるさい。高速道路の本線に合流するようなシーンでは、助手席との会話もかなり声が大きくなるはず。これだけ背が高いと横風にあおられる感じが強くなり、30km/hくらいの速度ではボディの上屋が振り子のように横に揺すぶられるような乗り心地も少々気になった。エンジンパワーも含めて、音・振動方面は明確にタントに差を付けられている。
入念なライバル比較を
|
駐車場などで、子供が急にドアを開けても隣のクルマにぶつける心配はない。グレードによりオートクローザーと手動の組み合わせが異なるので、ニーズに合わせて確認を。TSには両方にクローザーが付く |
走りに関しては辛口になってしまったが、タウンユースで不満があるわけではない。あくまで他と乗り比べての印象だが、試乗しても別に気にならないよ! というユーザーも少なくないだろう。しかし、スズキには世界に通用するスイフトという素晴らしいリッターカーを作った実績があるし、今年中に登場するはずの新型ワゴンRでは走りの面が何段もブラッシュアップされているのは想像に難くないだけに残念に感じたわけだ。走りの進化はベースの現行ワゴンRから見られない。
まさにミニ・ミニバンというべきユーティリティを有しているパレット。小さなクルマに大きな車内を望むならピッタリな存在といえるだろう。大人4人でも窮屈感の少ないモデルは貴重な存在であるし、たいていのリッターカーよりも広い後席は魅力に感じるはずだ。
「スズキ・パレット」の公式ウェブサイトはこちら(※閉鎖)
「ミニバン・SUV」のメールマガジンの申込はこちらまで(※停止中)