SUZUKI(スズキ)/スズキ

まさにミニ・ミニバンなスズキ「パレット」(2ページ目)

3列目席こそないが、2列目までの広さと荷室を含めたユーティリティ、そして両側スライドドアとミニ・ミニバンといえるスズキ・パレット。好敵手タントとの違いは?

塚田 勝弘

執筆者:塚田 勝弘

車ガイド

シートサイズは小さめ

インパネ
スポーティな印象のインパネはロアとアッパーでカラーが異なり、クオリティはまずまず。インパネシフトは操作しやすく、全車4ATだ。上級グレードにはハイグレードサウンドシステムが備わる
運転席に座ると十分に広い視界で、余計なストレスを受けずに運転できる。しかも、好敵手タントほど下方向が開けっぴろげではなく、高速道路でも不安に陥ることはなかった。ボクシーなスタイルなので、路上駐車が多い都市部の左車線をスイスイと駆け抜ける。

運転姿勢で気になったのが、適正なドラポジが取りにくい点。やや踏み下ろすようなペダル配置で合わせるとリーチが届きにくく、ステアリング操作がしにくい。逆にリーチで合わせると、ペダルが近くなり窮屈な姿勢を強いられる。160cmくらいの方でどうなるかは分からないが、170cm少しのレポーターは何度やってもしっくり来なかった。上下だけでなく、前後方向にもステアリングを調整できるとやはり便利だ。コストの厳しい軽自動車に望むのは酷かも知れないが、デイリーユースが中心になりそうなモデルにこそ、テレスコ機構は必要だろう。

後席の快適性が向上

後席
リヤシートの背もたれを床下に格納する際は、ゲート側からではなく、後ドア側から行う。フロントシートをある程度前にスライドさせれば、ヘッドレストを付けたままバックレストを格納できる
居住性は前後席とももう少し、シートのバックレストの高さと厚みが欲しい。おそらくメインターゲットは小さな子供がいるママで、160cmくらいの方を基準に設計しているのではないだろうか。前席は後席乗員の開放感を考えてのサイズ、後席自体は格納性を考えて小さくしているはず。普段は子供しか座らないと考えての決断か。後席は足が組めるほど膝前に余裕があるのに惜しい。あと3cmでもバックレストの天地があれば170cm以上の乗員でも十分くつろげるはずだ。

乗降性は両側スライドドアと低床化の恩恵で良好。身体を滑らせるように前後席ともに乗り込める。タントのようなピラーレスではないため、大開口というほどではないが、軽としては十二分な高さと幅で、タントの大開口に及ばないのは、おむつ替えやチャイルドシートの乗せ替えなどの作業性、あるいはタントなら後席前に自転車などの大きな荷物を積めるが、開口幅がライバルより狭くなるだけ、後席前への積載性では不利になる。しかし、それほどの開口幅を日常生活で必要かどうかは各ユーザーにより異なるし、セダンなどよりもミニバン的で使い勝手に優れるのは間違いない。後席を格納させれば低くて積みやすい、真四角なラゲッジが備わるのだから。

次ページは走りについて
  • 前のページへ
  • 1
  • 2
  • 3
  • 次のページへ

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます