エンジンも奢っているが、ミッションもけっこうな物を用意している。ミニバンながら電子制御の5速型なのである。重量が重く、低回転域のトルクを重視したエンジンチューニングを採用するミニバンにミッションの多段化は、動力性能でも燃費でも効果大。なお、モード燃費は2WD(FR)車で、8.2km/Lである。一般的な乗用車のオーナーには大したことないように思えるが、フルサイズの1BOX型ミニバンにしては、かなり健闘しているほうだ。ちなみにトヨタのグランビアで、同じV6(3.4L)を搭載したモデルのモード燃費は8.0km/Lとなっている。
大型8インチモニターは手でドライバー方向に向きを変えられる |
シャシーは従来車の設計を継承した部分もあるが、リヤサスは新開発。マルチリンク式の凝った独立懸架である。さらに、アクティブセーフティの向上で大きな効果を持つVDC(電子制御スタビリティコントロール)が全車にオプション設定されているのも見逃せない。
なお、グレード展開はV/VG/X/XLとローダウンサス&専用ドレスアップのハイウェイスターの5グレード。ベーシックグレードのV以外にパワースライドドア(助手席側)とオーディオを標準装着するほか、全車にフルオートデュアルエアコンやアルミホイール標準装着。シリーズ全体の装備水準が高く、低価格をアピールするためのシンプル仕様がない。なお、両側スライドドアの5ドアを標準ボディとしているが、VGだけに4ドア(リヤスライドドアは助手席側のみ)が用意されている。
これだけの内容だと、気になるのは価格だが、最廉価のV・2WDの289.0万円から最上級のXL・4WDの450.0万円まで。300~350万円くらいに魅力的なグレードが揃っている。従来車の設定が303.5~418.5万円だったことを考えれば、価格はほぼ据え置き。装備内容を考えれば値下げといってもいい。上級ミニバンを考えているドライバーには、間違いなく見逃せない存在である。