フィットとモビリオのフットワークの違いにも同様の事が言えるのだ。市街地走行では見た目の印象に似合わずモビリオのほうがソフトな乗り心地を示し、運転感覚にも重々しさがない。フィットは低中速域で荒れた舗装状態の道を走る時には、けっこうな振動が伝わってくる。ドライバーの立場からすればフィットのキビキビした操縦感覚(操舵してから重心が移動するまでのタイムラグが少ない)が、乗り心地の厳しさを割り引いてくれるが、後席乗員の立場ではあまり心地よいものではない。

しかし、速度域が高くなるほど、モビリオの優しさは頼りなさになり、フィットの厳しさは安心感へと変化していく。

どこでどう使うかは愛車選びでは非常に重要なポイントだが、往々にしてキャビンユーティリティばかりを見てしまう。しかし、走行性能、とくにフットワークは非常に重要な要素である。タウンユースが中心なのか、高速長距離走行や山岳路を走る頻度は?などなど、適切なフットワークを持っていないと、運転疲れしにくくなるばかりか、アクティブセーフティにも関わってくる。

キャビンユーティリティでは、モビリオを「7名乗れるフィット」と考えるのも否定はしない。しかし、フットワークから見ると適応用途から異質なクルマなのである。モビリオは高速長距離走行に不適当とはいわない。実際にワイドミニ型のアトレー7やランディと比較すれば、高速域での安心感と乗り心地のよさは大きなアドバンテージになっている。しかし、絶対論として高速長距離走行に適した特性とも言い難い。やはりタウンユースを中心に、短中距離のレジャー用途を加えたくらいと考えておいたほうが無難。高速長距離走行を求め、なおかつ7名定員も欲しいならば、価格もサイズも上がってしまうがストリームやステップワゴンも検討してみるといいだろう。

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